母親な彼女 4
所で、問題は、
一番幼く、まだ幼稚園児である長女の真衣の事だ。
まだ身体も小さく、抵抗力も弱い5歳児には、
今回の悪性の風邪は大変に辛いらしく、
高熱が3日も続き…母親は三日三晩、付きっきりで看病を続けている。
…優子は、ちゃんと休んでいるのだろうか?
そんな疑問が頭に浮かぶ…。
きっとロクに休まずに…
長女の傍らでウトウトする程度しか休んでいないのだろう。
あの性格では、きっとそうするだろうな…
と思いつつ…
ふと、今日の夕食と部屋の隅に置いてある…洗濯物を見る。
ちゃんと、
僕の好きなメニューを組んで用意されていた夕飯。
高熱が出て汗をかくから何度も着替えさせたのだろう…
まだ…畳む途中である、いつもより多い洗濯物の山。
きっと真衣が寝ている僅かな時間に、子供達と僕の夕飯を用意し、
政紀と拓弥には先に食べさせて寝かせて…
大量の洗濯物の片付けをしようとしたら、
…真衣が目覚ました…と、いう所だろうか?
特に一番下の真衣は、
元々、何かと兄達や母親に甘える性格だし、
こんな時には、片時も離れられない程に甘えて来る。
そう、これは…仕方のない事だ…。
自分に、そう言い聞かせ…、
最近まともに顔を見ていない気のする…妻の優子を想い…
夕食を食べ終えて、その片付けを済ませた後は、
僕にしては珍しく…
まだ畳んでいない洗濯物の山へと、手を伸ばした…。
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