名は体を表す？ ５
「それから『政』の字は…お祖父様の『直政（なおまさ）様』からも、」
「一字を頂いた形になっていますよ。」
「あっ、そう言えば…“まさ”の字が同じ字なんだ…。」
「お父様から字は頂いていませんが、」
「貴方は雲雀家の長男ですし…お祖父様から頂く事にしました。」
「あぁ、なるほど…。」
「君の名前に、恥じない生き方をしなよ。」
「…僕から言いたい事はそれだけだよ。」
「…うん。…わかった。」
＋＋＋＋＋
＋＋
＋
その場は、そう答えて終わったけど…
あの時はまだ僕は５歳で…、
説明された話の内容も、そこに含まれた意味も、
あまり判っていなかったし…
父さんの学生時代がどうだったか…
僕の父さんが、“並盛でどんな存在”なのか…
なんて事の知識も…ほとんど無かったんだよね。
…母さんは、そんな事についての話はしない人だしね。
父さんも…自分の学生時代の話や、
『並盛の秩序』である事の具体的な話は
…何も話してくれなかった。
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