名は体を表す? 2
…あれは、確か…
まだ僕が小学校に上がる前の、
5歳の歳の、ある日の事だった…
「政紀さん、お父様がお呼びですよ。一緒に来て下さい。」
母さんに、そう声を掛けられて、
普段、父さんから何か話がある時に呼ばれる…
奥座敷や書斎ではなく、
客間である表座敷にわざわざ呼ばれた事を
少し不審に思いつつ部屋に入ると…
正面に父さんと母さんが並んで座って、
何やら改まった雰囲気だった。
「政紀さん、…そろそろ貴方に、」
「名前の説明をする時期だと思うので、聞いてくれますか?」
「僕の…名前の説明?」
「貴方の名前に、どんな意味や願いが込められているか説明するのですよ。」
「…名前の、意味…?」
「生まれた子供に名前を付ける時は、誰でも一生懸命に考え」
「…その子の幸せを願って名付けをします。」
「貴方が生まれた時にも…、」
「お父様と一緒に色々な名前を考え…貴方の幸せを願って…決めたのですよ。」
「…そうなんだ…。」
そこまで話をした母さんは次の話を促すように…
ニコニコと笑顔を父さんの方に向ける。
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