名は体を表す? 14 おまけ会話(拓弥君の場合)
以下、恒例のおまけ会話です。
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◆次男・拓弥(たくや)君の場合…
(政紀(まさき)君と同じように5歳のある日)
「拓弥さんのお名前は、私が思いついた名前を付けました。」
「…お母さんが考えてくれたの?」
(拓弥君が少し嬉しそう。)
「生まれた貴方を見た時に…とても逞しい子だと感じました。」
「何もない所から、自力で何かを作り出せるパワーや、」
「強いパイオニア精神を感じました。」
「…ふぅ〜ん。」
「それで名前に『開拓精神』の“拓”という字を入れる事にして…」
「…うん。」
「後は…」
「見た目も感じるオーラも…お父様にそっくりでしたので(微笑)」
「お父様の恭弥という名前から“弥”を頂き…拓弥と、そう名付けたのですよ。」
「勿論、“お父様のような素晴らしい人になって頂きたい”」
「…という願いも込めて…です。」
「………。」
(“弥”の字は余計だと思ったが、流石に口にはしない。)
ニコニコ優子さんの隣で…
拓弥君の表情を見て、ムッ!顔の雲雀父。
笑顔の優子さんに促されて…
仕方なく口を開く雲雀父。
「自分の名前の意味を良く考えて、」
「それに恥じない生き方をしようと…そう思う事だね。」
「………。」
「特別に君には…僕の名前から、一字をあげたんだ…」
「くれぐれも名前を穢(けが)さないようにしなよ。」
「…そっちこそ。((ボソッ」
「…君、今…何か言ったかい?」
「…別に…。」
「…………。」
++<拓弥>++
(ったく…名前を穢さないように気を付けて欲しいのは、こっちだよ…)
(貴方のおかげで、今まで…どれだけ迷惑したと思ってるんだっ!)
(雲雀という苗字と、父親ソックリの容姿のせいで…)
(この人の息子だという事実を隠したくても隠せないし…ね)
(ま、変に脅したりしなくても何処でも何でも僕の自由になるのは良いけど…)
(スグに父親と比べられるのは…嫌なんだよね…)
(“雲雀恭弥”の…噂話しを聞く度に…)
(どれだけ規格外の人なんだ!と…毎回、呆れる…)
(同時に…僕も…)
(…いつか、そんな風になれるのだろうかって、)
(…少しだけ不安になるんだよね…)
≪早く…貴方のような…大人になりたいよ≫
++<雲雀父>++
(…全く、生意気な子だよね。)
(まだ5歳児のくせに…睨んだ顔は一人前なんてムカつくな。)
(顔も性格も…名前まで似ているなんて…やっぱり良くなかったかな。)
(まるで小さな自分の分身がいるみたいで…変な気分だ)
(だけど…ある意味、将来有望なのかもしれない。)
(…中身まで僕に似て優秀なら…の話だけど。)
(こんなのと比べられるのはムカつくけど…、)
(でも拓弥は強いし、未来の咬み殺し甲斐のある相手だと思えば…)
(少しは楽しみだと…思える。)
(…うん、そう思う事にしようか。)
(その名に相応しい人物になれるよう、せいぜい…頑張るんだね。)
(…僕の子なら…出来るだろう?)
≪気長に…君の成長を待っててあげるよ≫
★次、末っ子の真衣ちゃんのおまけ会話です。
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