[携帯モード] [URL送信]
異次元逢瀬 13




少しして、一緒に歩く事に慣れた所で、
他愛もない話を、少しずつ話した…、
学校の事や友達の事や、ブログの話なんかも…。


骸さんは、頷きながら笑顔で聞いてくれて、
時々質問もして来て…、
その質問に、一生懸命に答えるあたし――。



 
少しだけ凸凹のある道を、骸さんが手を取って…導いてくれる。
段差がある時には、ちゃんと足元を見て、
転ばないように、手を引いてくれた…。

こんな、レディーの扱いには慣れてないし、
あたしはもう、ドキドキしっぱなし!





折角、眼の前に大好きな骸さんがいるのに…
聞きたい事も、話したい事も、…本当は一杯あるのに…
胸が一杯で、十分には話せなかった。

話したのは、どうでも良いような事ばかり…。
穏やかで、美しい風景も、半分眼に入っているかどうかだ…。







ふぁふぁした、夢心地でゆっくり歩いていたら、
突然、骸さんが声を上げた…。




「おや?…どうやら、もう時間のようですね。」



「…時間?」



「そうです、真奈美。」
「…貴女が、自分の世界に戻る時間のようですよ。」

「周りを良く見て下さい。」
「…ほら、風景に少し歪みが出ている。」







「…えっ…?」
「あ、ホントですね。遠くの木の形が揺れてるみたい…。」



「……真奈美…。」
「今日は、とても楽しかったですよ。」



「あ、あたしもですっ!本物の骸さんと会えたなんて…」
「今でもまだ、信じられないけど…。」



「クフフ…貴女は疑り深いですね…。」
「でも僕が…」
「これは事実だと、言ってるのだから信じて下さい。」



「えっ、はい。…信じます。」







「貴女の眼が覚めた時に…」
「これが、単なる夢だと思わない事を…祈りますよ。」



「勿論です!」
「ちゃんと覚えてて、単なる夢なんて思ったりしません!大丈夫です!」









[*前へ][次へ#]

13/17ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!