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異次元逢瀬 12





「…さあ、真奈美。」
「少しあちらの方にも…足を伸ばしてみませんか?」



そう言いつつ、骸さんの…
細くて長い指の、白い綺麗な手を差し伸べられた…。





……えっ?  



…こ、この手は…。

もしかして、手を繋ごうって意味ですか?  




…いや、でも…。

躊躇って、骸さんを見上げたら…。


 

何とも美しく妖艶にすら見える微笑を浮かべて、
腰にくる甘い声で、こう言われた…。



「…少し足場が悪い所があります。…お手をどうぞ?」





「…………。」


……ど、どうしよう。 


今のは…流石にキタッ!!!  
固まって…動けないかも。





いや、これって、どんなシチュエーション!?  
まるで紳士な骸さんと…デート!?

多分、全身真っ赤になってるであろう、
あたしの手を、骸さんがサッと取って…歩きだした…。




うわっ!  

…手…繋いじゃったよ!!  



ど、どうしよう…!





……あまりに嬉しすぎて、声も出ないっ! 
 
そ、それに…緊張するっ!






話せない状態の、あたしの手を取って、
どこか上機嫌に見える骸さんと、ゆっくり歩く…。



…お互い無言だけど、妙に気持ち良い沈黙…。 





穏やかな風が吹いて、二人の髪が同じ方向に流れる…。
遠くの木が、ザワッと揺れる音が時々響くのを
…うっとりと聞いた。









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あきゅろす。
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