* 始まりの予感 * 始まりの予感 5 <<雲雀さんサイド>> …誰もが、僕を恐れて近づかないし、 視線すら合わせようとしない中、 この僕に会うためだけに、何度も屋上に来ていたと言う彼女。 それで…いつも、そおっとドアを開き、 少し顔を出しては周りを伺っていたのか。 いつも、屋上中をぐるっと確認し終わると、深い溜め息をついて …何もせずに屋上を後にしていた。 …変な子だと思った。 だから、今日は… その真意を問いただそうと、待ち構えていたんだ。 だけど、予想外な彼女の答えに…正直びっくりした。 …同時に、少し興味を持った。 どうして僕に会いたいなんて思ったのか、 その理由を詳しく聞き出すのも悪くない。 …なんて… 群れるのが嫌いな僕がこんな事を思うなんて、どうかしてる。 気が付いたら「放課後に応接室に来なよ」なんて言葉が出てた。 背中越しに嬉しそうな声で「会いに行きます」なんて聞こえたから…思わず笑った。 きっと、彼女は今、真っ赤になって必死に言ってるのだろう。 僕が彼女をトンファーで追い詰めた時から、 すでにトマトのように真っ赤だったあの顔が浮かんだ。 放課後が楽しみだなんて思う僕は…ほんと、どうかしてる。 …でも…嫌いじゃない。 〜〜何かが、始まる予感〜〜 [*前へ][次へ#] [戻る] |