はじめまして、さようなら。
4
チビのくせにモテやがって。
にやにやと笑いながら
ハヤシダ君は、くしゃくしゃと、
藤坂と同じくらいくらい焼けた、
藤坂よりも大きな掌で、
藤坂の長期休み前より伸びた髪の毛を、掻き回した。
「リンダっ、やーめーろ!」
照れている。
藤坂の新しい表情を見た。
「久樹、知ってるか。こいつ、彼女できたんだぜ。」
にやにやと笑うハヤシダ君の表情は、
どこか現実味がなかったけれど、
リンダ!!と本格的に照れて上ずった藤坂の声は、
妙にリアルだと思った。
初恋は、実らない。
誰もが聞いたことのある言葉だけが、
すとん。と僕の中に落ち着いた。
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