死神とダンス♪
38.腐メールですぅ♪
「あっ!もう、5時過ぎてるよ!」
古市はケータイに表示されている時計を見て、落胆している。
なんだ?5時を過ぎると、【腐男子友の会】に何か問題でもあるのか?
理由がわからず、古市を凝視していると、古市からは申し訳なさそうな顔をされる。
「【腐男子友の会】は、5時までが活動時間なんだ。だから、今、5時を過ぎているんで、会員のみんなは帰宅済みでいない…。しのタン、ごめんね」
おい!何で、時間限定で活動しているだ!!【腐男子友の会】というくらいだったら、もっと長時間萌えてろよ!
………やばい、何となく俺も【腐男子友の会】に毒されている気がする。←協力を仰ごうとは思っても、腐に染まるつまりはない。
ズッズーーンッと毒されつつある腐道に落ち込んでいると、古市は何を勘違いしたのか、慌てはじめる。
「しのタン、しのタン。そんなに落ち込まないで、【腐男子友の会】は毎週水曜日が活動日だけど、みんなにしのタンの悩みを腐メール送信して、来週の集まりまでにいい案考えてもらうから!!」
『腐メール』………どこまでも【腐男子友の会】だな…。今更ながら、すこし選択を間違えたかと………いやいや、これも復讐のためだ!
それから、古市は高速で腐メールを作成し、【腐男子友の会】会員に送信する。
何気に古市が送信してから、3分もたたず次々と古市腐メールの返事が続々届く。内容は…。
『任して!!【腐男子友の会】会員bRの名に賭けて、しのタンを王道転校生の最終形態にするから!!やっぱ、最後は、会長×王道転校生だよね!?』
『ふっふふふ、わっははは。これで同人誌の題材が決まった。落とし方は、今、会員bWの俺が厳選BL本から抜粋している。これで萌える…いや、会長が落ちるぞ!もえタン(←何気に俺の呼び名変わってるよ)にそう言っておけ!!』
腐メール…予想できる内容とはいえ、メールまでテンション高いな。
そして、次々こんな内容のような腐メールが返信されてくる。が、ここで1つ、真面目メール(?)が最後に届く。
『バ会長の落とし方かー、何気に難しいよ。バ会長は近づく人間は、自分に落ちた人間だと認識しているから、セフレと思っているふしがあるしね。しのタン、最初の出会いで1つ失敗しているね…。それでも、何か良い案あるか考えてみるよ』
「このメールって…」
「さすが、黒様ですね、分析力が素晴らしいー!!【腐男子友の会】会員bPのあなたに俺はどこまでもついて行きます!!」
廊下に古市の声が木霊するが、俺はこのメールに釘付けだ。
『最初の出会いで失敗』………だってさ、だって!俺の顔を認識してもらえないとダメだろ普通!だから、初日から頑張って会いに行って、あまつさえ、キスまでされて………それが失敗!?
古市の感激ぶりと会員bPの発言で、この『黒様』が【腐男子友の会】のトップだとわかる。
もしや、自分で倉吉に惚れさせようと考えるのではなく、はじめっから【腐男子友の会】に頼ればよかったのではないか?
まさか、これほど【腐男子友の会】が使える組織だったとは………。
俺は古市の雄叫びを聞きながら、そんなことを考えつつ頭を抱え、ずっと後悔していた。
[後退〜♪][前進〜♪]
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