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死神とダンス♪
39.ため息は癖ぇ♪

「…今日の収穫はなし」

 今日、放課後にあったことを夕食を食べながら、雪次に報告していると、そうポツリッと呟かれた。←夕食はもちろん、雪次お手製のハンバークでした。

 たしかに、倉吉に関しては進展どころか後退しているとは、自分でも感じるけどそれでも収穫はあったはずだ。

「【腐男子友の会】の協力が、今日の俺の収穫!!」

「…そう、うまくいくかな?」

「………」

 何気に雪次は俺にきつくない?密かに俺もそれを考えなかった訳ではないので、沈黙してしまう。

 いやいや、ここで弱気はダメだ!復讐に弱気は禁物!ブンブンッ首を振り、雪次にビシッと指をさす!

「雪次!そこは、俺の協力者として、『頑張れ!』とか『応援するぞ!』と、言うのが普通だろ!?」

「オレは復讐に協力しない」

「………」

 そうだったよ!雪次は生活面では俺に協力してくれるけど、復讐計画には協力してくれないんだった。←しかし、復讐計画の話しは聞いてくれる。



 俺が少し落ち込むと、雪次はため息を吐きながら、「もう少し夕食を食べろ」という。

 何気に話題がズレてるし、ため息吐かれるし………もしかして、俺に呆れているのかな?

「雪次………」

「ほら、ハンバークは忍が好きなものだろ。冷めないうちに食べろ」

「もしかして、俺って雪次に迷惑かけてる?もう、俺の面倒なんて見たくない…何て感じてる?」

「…どうして、そう思う?」

「ため息………雪次、この頃俺の話しを聞いていると、ため息ついてるし………俺も雪次の立場だったら、ウザいかな…と、思うかもって…」

 フォークをハーンバーグにザクザク突き刺す。あ、これもウザいかも…。

 何気に自分の仕草の一つ一つが気になり始めるていると、突然頭に手が触れる感触。



 ガシガシガシガシッ。

「痛い、痛い!雪次、俺の頭ハゲる!!撫でるのなら、もう少し力をゆるめて!!」

 突然、雪次が力いっぱい撫でる(?)行為をはじめて、それに悲鳴をあげると、今度はきちんと力加減して撫でてくれる。いつものように優しく…。

 どういう意味だろう?雪次の顔を見上げてみると、雪次は、今まで見たことがないくらい優しい笑みを浮かべていた。

「雪次?」

「忍のことを面倒だと思ったことはない。ため息は………自分に対してついてしまう………癖だと思ってくれ」

 ため息って癖になるものなのか?何だがよくわからんが、雪次が俺を面倒だと思ってないなら………このままでいいのかな?

「これからも、よろしくお願いします」

「あぁ」

 俺がペコリッと、これからもよろしくの意味を込め、頭を下げると、雪次は相変わらず淡々と返事をする。

 それにしても、さっきの雪次の笑顔………いつも無表情の奴がすると破壊力抜群だな。一瞬、素で惚れそうだったぞ!



 この時、俺は、少しずつ気持ちに変化が起きていることに気付いていない。


[後退〜♪][前進〜♪]

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