雷に咲く花 06.目覚めたテンシ。(12/25) 身体を揺すり「起きて下さい」と、声を掛けると、書記サマは寝ぼけているのか、目元をゴシゴシしながら、「あと、ちょっと〜」と、舌っ足らずの声で返答する。 可愛い〜〜〜!! 素でデレっとしてしまったオレを誰も責めないと思う。 親衛隊がいたら殺されそうだ…。 あっ………書記サマにも親衛隊いたな、もしかして、オレ死亡決定? 白羽学園は、運動第一学校。 そのため、冬休みだろうが正月だろうが、学園施設は解放されており、且つ、運動部のレギュラーは休みなどあってないようなものだ。 書記サマももちろん、運動部でレギュラー。 たしか、テニス部だったような…。 ついで、生徒の大半は在中していることから、親衛隊も常時在中しているはずで、オレと書記サマがナニしてなんてこと知れたら…。 「いい加減に起きて下さいっ!!」 一瞬、厳しい運動部の上下関係を忘れて、マジで怒鳴ってしまう。 それでも、丁寧語になっているから不思議な話しだ。 パチパチッ。長いまつ毛と一緒に開かれる瞳。 幼い表情を見せている書記サマに戸惑いつつも「お、おはようございます」と、言ってみる。 「………(30秒経過)………。う゛っげっ!!らい、らい、らいらいらいでんぐん!?」 めったにお目にかかれないだろう、こんな書記サマ。 動揺しすぎてオレの名前を「らいでんぐん」と、言っているところなど、信者(親衛隊)からしたら涎者だ。 [←][→] [戻る] |