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雷に咲く花
02.気弱なスポーツマン。(12/24)

 直危は190pの身長があり、身長に伴い筋肉も付き、これで顔も良いため、なかなかこの学園では人気のある生徒だと、そう自負している。

 来電家は元々異国から嫁いで来る者や逆に異国に嫁ぐ者が多いせいか、顔立ちとしては、一重にどこの国とも知れない外国人特有の彫の深い顔立ちである。

 そんな来電家は昔から美形が生まれる率が異常に高く、はずれはない…が、それに完璧を求める頭脳はないので、オレもその例に漏れない。



 12月24日、2学期の終業式。

 オレはバレーボール部に所属している。

 で、顔の良し悪しはあまり関係なく運動神経を求められるので、それはクリアーしているのだが、オレには1つ欠点があり…。

「こぉらっぁあああっー!!来電ウドの大木(←けして、オレの本名ではない)、いい加減にスパイク止めろやぁぁあーーー!!」

 チーム内で練習試合を開始した途端、オレは固まり仁王立ちのまま、何もできないでいると、かなり、ヤーさんになっているバレー部キャプテン、黒川先輩がブチ切れる。

「えっーと、真面目にやってるんですけど…」

「はぁぁぁあああ!」※ヤクザ調

「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」

 ペコペコ謝るオレに皆呆れ顔だ。



 …そう、オレは試合に弱い。

 病名を勝手に作るなら『試合恐怖症』だ。

 試合となれば、強力な針金が入ったようになって固まり、練習の成果が全く発揮できない欠点がある。

 練習中は、「超高校エース級」だと言われるくらいすごい選手らしいのだが…。←監督&先輩談。

 監督も先輩もオレの容姿よりバレーセンスを褒めてくれるので、頑張って…頑張っているのだけど、なぜかな、試合となると緊張してしまうんだよね。



 そんなオレを気遣って、クリスマスのプレゼントとして、先輩達(2年)が計画しれたモノは、驚くべき品だった。

黒川キャプテン(黒)「お前のその度胸の無さは、『童貞』だからだっ!!」

青山副キャプテン(青)「そこで、だ。女を知れば、かっこいいとこ見せたいとかって意気込むし、緊張もしなくなるっはず!て、ことで作戦開始!!」

山吹(山)「でもよー。もう、今日がクリスマス・イヴだし、女なんかすぐに見つかるか?」

灰谷(灰)「いや、それよりも、てっとり早くこの学園から見つければ…」

黒「『男』かぁ?童貞君には敷居が高くないか?」

青「ならアイツならどうだ?慣れているし、金を渡せばそれなりに…」

山「ああ、アイツかぁー。アイツなら男に慣れているし、俺達が頼めばなんとか指導してくれるかもな」

灰「おっ!それいいな、よし、来電、これから先輩達がお前にプレゼントしてやるから、お前は寮の空き部屋にいろよ!」



 以前、男子校特有のそういう話題が出た時、うっかり『童貞』だとバレたのが悪かったようだ。

 いや、それより、なぜ、童貞喪失=試合で度胸がつく、のかぁ?

 …いやいや、それよりもなぜ童貞喪失のために男と寝なければならない!?

 その後、必死で止めようとするオレを無視し、オレの高身長などもろともしない先輩達に寮の空き部屋に放り込まれた。

 ちなみに、この空き部屋、通称『ヤリ部屋』と呼ぶらしいが、そんなの今はどうでもいい!!


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あきゅろす。
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