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雷に咲く花
07.身代わりのケッカ。(12/24)

「は、話しが違うよー、先輩」

 正気に返ったのは、来電君の呟くような独り言。

 それからは、先ほど高速で想い出した先輩とのことを行動に移すが、これで正しかったのかわからない。

 でも、大好きな人に抱かれるのは、とても幸せで涙が出そうになるのを必死に耐える。

 来電君は僕を知っている訳でもないし、まして、僕の恋人でもない。

 それなのに、来電君は初めてとは思えないくらい、僕を優しく抱いてくれて、嬉しくて嬉しくて…。

 その夜、見た夢は咲き乱れる花畑で笑う合う僕と来電君だった。



 来電君が目覚める前にこの部屋を出る………そう、思っていたはずなのに、目覚めると、大好きな来電君のアップ!!

「う゛っげっ!!らい、らい、らいらいらいでんぐん!?」

 日は昇り、薄いカーテンでは遮ることのできない光。

 動揺をはるかに通りこし、ベッドから起き上がり右往左往としてしまう。

 こういう時って、腰が痛かろうが、人様に言えない場所が何とも言えない状況であろうが、それを一時的にでも忘れ去る作用があることを知った。

 が、その後の展開はブルーになるというか…まぁ、自業自得なんだけど、来電君に「僕=ハツ君」の情報がインプットされているので、『セックス依存症』などと思われて、かなり深く傷つくことになる。



 ヤリ部屋を出て自分の部屋に戻って来たが、震えが止まらなかった。

 とんでもないことをしてしまった!!

 後悔したくはないけど、来電君に真相を知られたら、それこそ嫌われる。

 『セックス依存症』と僕は思われていたことから、きっと、来電君は僕のことを何も知らないのだろう。

 ボロボロっと涙が溢れる。

 どんなに手の甲で目を擦っても涙は止まらなくて、ずっと泣き続けていた。


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あきゅろす。
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