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女神に愛されし者
★おまけ★

「さて、非公式ながら我々が定めた、勝利者の褒美をリンジィー隊長に決めてもらおう」

 ステファンの言葉にリンジィー隊長はニッコリ笑い「ありがとうございます」と、礼を言う。

 この野外訓練が行われる際、各隊長は「勝者には各隊から要求を叶える権利」ということが、非公式ながら決まっていた。



 それで、今回の勝者リンジィー隊長は、各隊長の顔を見つめ、次々っと望みのものを要求していく。

「第二部隊からは、矢を200本と、たしか武器庫にあるという上質の細身の剣を3本」

「そ、それは!リンジィー隊長、矢はともかくあの細身の剣は、それこそ名のある業物で―――」

「ステファン隊長………事前の決め事では、何でも要求して良いと?」

「すまない…了解した。数日中にそちらに提供しよう…」

 力なく項垂れるステファン。



「それでは次、第五部隊からは、我が隊に張り付いているストーカーもどきの排除と、この前手に入れたという上質のワインを10本」

「ストーカーをしている馬鹿はヤキか除隊………まぁ、その辺は了解するとして、なぜ、ワインのことを知っている?」

「第四部隊ですら………(訳…諜報活動で情報を手に入れました)」

「ヘイヘイ、酒は惜しいが…渋ると俺の隊員全員を除隊なんて言われても困る。了解了解!明日にでも酒は持って行くぜ」

 諦め半分………しかし、口を出しで違う要求をされたらたまらんと、ガスはそうそうに話を終わらせる。



「最後に第三部隊………なのですが…」

「何か、問題でも?」

 リンジィーの渋る言葉にカイニールの背に嫌な汗が流れる。

 とんでもない要求をしてくるのではないかと…。

「いえ、それほどの要求ではないのですが、あのー独占インタビューと要求しても構いませんか?」

「「「『インタビュー』???」」」

 リンジィーの言葉に3隊長の声がそろうが、意味がわからない。

「いえ、わたくしもどうしたものかと思うのですが、隊員の多くがカイ隊長の私生活とか、幼き日々のお話が知りたいと要求していまして………」

「「「………(知ってどうする?)」」」

 またしても3隊長の心の声が重なるが、第四部隊には内部で発行している『カイ隊長情報誌』なるものの存在があることは、3隊長が知るはずもなく。



 『カイ隊長情報誌』…その名の通り、マニアックすぎるほどのカイ隊長の様子を克明に綴った情報誌…。

 エリも購入している情報誌であるが、存在を知る者はごくわずかで高値で販売されている。



 カイニールが知ることのない情報誌ではあるが、拒否権はないので第四部隊の要求を了承する。

 のち、このインタビューを受けたカイニールが生気を吸い取られたかのようにグッタリした姿を目撃されるが、どのようなインタビューを受けたのかは、『カイ隊長情報誌』を手に入れた者だけが知ることができたとか…。



※野外訓練の賭けに密かに参加していたリンジィーは、その後、かなりの大金を手に入れた。………賭けていたのはもちろん、自隊である第四部隊…。どこまでもリンジィーは抜け目がない…。






 マジ拍手文3 勝利を手にする者 END


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