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女神に愛されし者
勝利を手にする者 bU

「どこの隊が罠を仕掛けているのでしょう?」

 キース副隊長の言葉に隊員達は「フーム」と、考え始めるが、あっさりエリが「第五部隊でしょう」と、正体を明かしてしまう。

「根拠は?」

「あ、はい、カイ隊長。根拠って根拠はないのですけど………消去法で、第二部隊は武道武術馬鹿なので、正攻法で来ると思うし、第四部隊は女性王族の警護が仕事です。そうすると、こんな泥臭い罠など考え付かないじゃないかと…」

 ※エリはこの時、第四部隊の裏の顔(諜報活動部隊)のことをまだ知りません。

「なるほど」

 カイ隊長が頷くとともに他の隊員達も『あそこの隊なら納得』という表情になる。

「それと、カイ隊長。もしかしたら、第五部隊はだいぶ人数を減らされているのかも知れません」

「エリ、それは本当か?」

「かなりの確率でそうだと言えます。<あの>(←強調)第五隊員なら、絶対罠のあとには奇襲をしかけてきますからね!それが、罠だけということは…」

「…キース、斥候を送り第五部隊が近場にいないか探れ!見つけ次第こちらから仕掛ける!」

 カイ隊長の言葉に数名の足の速い者が、素早く散る。

 残りの隊員は緊張させつつもニヤリッと、笑うのを止められない。

 これで、一つの部隊を潰せる。

 しかし、第三部隊は第五部隊を捜せず、空振り………夜になってしまう。



 ※『斥候』のとは?と思っている読者様へ…『斥候』とは、本隊の進行方面の状況を偵察したりすることです。詳しいことは、ネットや図書館で調べてね。



 夜…野営を行なっている時間帯。

 各隊は夜の襲撃を恐れ見張りは欠かさず配置し、夜が明けるのを待つのだが…。

 しかし、第五部隊といえば…。

「オイ!ジンジン、酒がねーぞー!!」

「「「副隊チョー、こっちも酒ないぞーーー!!」」」

「…見張りも立てないで、酒盛り………下戸であることが、今どれほど悔やまれるか!!」

 第五部隊、ジンエール・ソケペスエ副隊長(32歳)。

 常識人みたいな発言↑をしているが、第五部隊の副隊長を務めるだけに『打つ・飲む・買う』の『飲む』がないだけで、かなりのお人であり…喧嘩は第五部隊の中で誰よりも好きで、常にエリが第五部隊にバイトに行くと喧嘩を吹っ掛けている人物でもある。

 もちろん、エリに喧嘩を吹っ掛けているが、全て返り討ちになっているのは………エリの正体から仕方がないのだが…。


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あきゅろす。
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