女神に愛されし者 12. ***** 使った力は、もちろん火………あたり一面の雪を消すつもりで使った力は、もちろん、二口(ふたたり)の剣にも届いた訳で…。←力は暴走しています。 その時、二口の剣ははじめて俺に意思をぶつけてきた。 『何てことするんです!』←こちらは、白晶。 『テメー、俺様を殺す気か!?ちょっとこっちに来い!俺様がテメーの息の根を止めてやる!!』←こちらは、黒晶。 一番初めは頭に直接話しかけられた状況にビックリしたものの、俺の側には二口の剣しか存在しないとわかった途端、俺もキレていたので言い返した。 「文句があるなら、この寒さを何とかしろー!!」 『そんなことできません。人を近寄らせないために、この地を作り出しているのにあなたの力はいったいなんです?私達の力を凌駕するなんて―――』 『ウッセー、白晶、チンタラ説教くせー話し方すんな!それより、テメー俺様を黒晶と知ってこの仕打ち、覚悟できてんだろうなぁー!!』 「はぁ?『黒晶』そんなの知る訳ないだろ!!」 この時の俺は、女神ヘステリーナや堕神のことは知っていても、神々の武器なんてモノの存在は知らなかった。 これは、オルヴァーン国でも記されてなかったので、俺が知らなくて当然だったのだが。 『………何で俺様を知らないんだー!俺様は黒晶だぞ!堕神の剣、黒晶様だぞ!』 『黒晶、人が堕神や私達を知る術はありません。知らなくて当然です』 白晶が冷静に黒晶に突っ込むが、俺は『堕神』を知っていた訳で、「堕神って女神ヘステリーナの対の神?」と、ついつい聞き返してしまった。 それからは、俺が【女神に愛されし者】で、不老不死で、4種の女神の加護の力を使えると教えると、喜々として興味を持たれ二口の剣は俺の許可も取らず、俺の剣になることを承諾させた。 二口の剣曰く、俺についていればそのうち神が迎えに来てくれるかも………何て楽観的な希望で着いて来ることに決めたようだ…。 黒晶の場合は、上記↑の理由のほかに俺と行動をともにすれば、暇ではなくなる…と、言う理由もつけて…。 ***** [★過去へ][☆未来へ] [戻る] |