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女神に愛されし者
12.

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 使った力は、もちろん火………あたり一面の雪を消すつもりで使った力は、もちろん、二口(ふたたり)の剣にも届いた訳で…。←力は暴走しています。



 その時、二口の剣ははじめて俺に意思をぶつけてきた。

『何てことするんです!』←こちらは、白晶。

『テメー、俺様を殺す気か!?ちょっとこっちに来い!俺様がテメーの息の根を止めてやる!!』←こちらは、黒晶。

 一番初めは頭に直接話しかけられた状況にビックリしたものの、俺の側には二口の剣しか存在しないとわかった途端、俺もキレていたので言い返した。

「文句があるなら、この寒さを何とかしろー!!」

『そんなことできません。人を近寄らせないために、この地を作り出しているのにあなたの力はいったいなんです?私達の力を凌駕するなんて―――』

『ウッセー、白晶、チンタラ説教くせー話し方すんな!それより、テメー俺様を黒晶と知ってこの仕打ち、覚悟できてんだろうなぁー!!』

「はぁ?『黒晶』そんなの知る訳ないだろ!!」



 この時の俺は、女神ヘステリーナや堕神のことは知っていても、神々の武器なんてモノの存在は知らなかった。

 これは、オルヴァーン国でも記されてなかったので、俺が知らなくて当然だったのだが。



『………何で俺様を知らないんだー!俺様は黒晶だぞ!堕神の剣、黒晶様だぞ!』

『黒晶、人が堕神や私達を知る術はありません。知らなくて当然です』

 白晶が冷静に黒晶に突っ込むが、俺は『堕神』を知っていた訳で、「堕神って女神ヘステリーナの対の神?」と、ついつい聞き返してしまった。



 それからは、俺が【女神に愛されし者】で、不老不死で、4種の女神の加護の力を使えると教えると、喜々として興味を持たれ二口の剣は俺の許可も取らず、俺の剣になることを承諾させた。

 二口の剣曰く、俺についていればそのうち神が迎えに来てくれるかも………何て楽観的な希望で着いて来ることに決めたようだ…。

 黒晶の場合は、上記↑の理由のほかに俺と行動をともにすれば、暇ではなくなる…と、言う理由もつけて…。

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