続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
49.萌葱の気持ちぃ♪
「静粛に静粛に!とりあえず、ここで田伏君の気持ちを知りたい」
「えっ?」
委員長の言葉に皆の視線が萌葱に集まる。
「田伏君がどうしたいか聞きたい。もし、田伏君が何もしないで、このままが良いって気持ちだったら申し訳ないからな。でも、何かして欲しいと思ったら…俺等はみんな田伏君の力になるよ。友人として」
委員長の言葉にクラスメイト達は、大きく頷き萌葱に微笑みかける。
変わらないな。
魂が同じだと強気なところも、人の気持ちを思いやるところも変わらないのかな。
委員長は、遠い昔生まれ変わる前ゴウエンの間違いで、魂を狩られてしまい肉体を失った。
その同時期、僕は病気で死んでしまい、肉体を委員長に譲った。
委員長が生まれ変わる前の名前は、松下忍(まつした しのぶ)………僕と同じ歳で同じ名前だった。
新しい人生を手に入れても、忍君は強気で一途で、人の気持ちを考え過ぎてなかなか前に進めなかった。
それでも、やはり忍君は忍君で…自力で立ち直り、新たな道を切り開いた。
僕は憧れていたんだ。僕は、君になりたかった………そして、死神になったら君のように強く、死者の力になれるようになりたって…。
委員長、君から見て僕はそのような人物になれているのかな?
萌葱は戸惑って、なかなか席から立ち上がれない。
僕のうしろの席が萌葱。
さぁ、萌葱勇気をだして!
僕は振り向き萌葱に頷き、クラスメイト達と同じ笑みを浮かべる。僕をはじめクラスメイトのみんなの笑みはきっと萌葱の力になるから。
ガタンッ。
「あ、あの、この前のサミエル副会長とのことは、ほ、本当にぼく、よくわからなくて…。こんなことになって…。それでもぼく郷内くんのいじめには負けたくない!ごめん、言いたいことうまくいえないけど、けど、こんなぼくでも、みんな力を貸してくれるかな?」
席を立ち、戸惑いつつも自分の心の内を話す、萌葱。
もちろん、僕等の返事は決まっている。←ここにいないゴウエン含む。
「勿論!!」
「もっち!」
「まっかせなさーい!」
クラスメイトから様々な了承する声が上がり、萌葱は涙ぐみながら頭を下げる。
しかし、このあと、僕等は教室を一斉に出ることになる。
あの馬鹿ヘタレ………いや、剛士があることをまだ萌葱に聞き出してないのを知ったからだ。
ヘタレ!!まだ、返事もらってなかったのかーーー!!って、僕等の心の叫びがクラスメイトとシンクロしたのは、言うまでもない。
さて、これでラブラブカップルができるはず、郷内ソラはどうでる?
[後退〜♪][前進〜♪]
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