続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
47.眠り姫の帰還♪A
再び椅子に座り直し頭を何度も振りながら、萌葱をまた静かに見守りはじめる、剛士…。
さて、この頑固不良をどうやって休ませるか。
「剛士、僕のほうの調べはもう終わっている。あとは、どう動くかが問題で…」
「お前なら何とかできるんだろ、ならとっとと動けよ!これ以上郷内や副会長を放置するな!」
「………剛士、それを決めるのは、僕達じゃないよ。決めて行動を起こすのは、まず萌葱からだ」
僕の言葉に剛士は、疲れた顔ながらも迫力満点な顔で睨みつけてくる。
「これ以上、萌葱を傷つけるつもりか?」
「傷ついても萌葱から始めなきゃ意味がない。先に僕達がやってしまったら、この先ずっと萌葱の心にわだかまりを残してしまう」
「………」
剛士もわかっているから、あの2人に手をださないのだろ?
沈黙している剛士に目で問いかけてみる。
いつもの剛士なら、真相がわかった途端郷内ソラとサミエル副会長に殴り込みをかけていたはずだ。
それをしなかったということは、自分でやってしまっても萌葱が喜ばないと感じたからではないのか?
僕の予想はきっと外れてない。
その証拠に剛士は、萌葱が眠るベッドの端に祈る様にグッと両手を握りしめている。
僕は、剛士の肩に手を置き、休むように再び声を掛けようとする。が、その前に待ちに待った人の声が上がる。
「つ、つよし、大丈夫だよ………ぼ、ぼく、こ、今度こそが、頑張るから…」
弱弱しい喉が嗄れた声が、部屋に響いた。
「「萌葱!!」」
僕と剛士は仲良くユニゾンさせ、萌葱の顔を見ると以前よりほっそりとした顔で笑みを浮かべていた。
この展開に、僕達は大変、たっいへん慌てた…。
喜びのあまり椅子から立ち上がった剛士は、そのまま過労で気絶。
慌てて飛び起きようとした萌葱は、ベッドから落ち負傷(軽傷です)。僕は大慌てで学園の保険医を呼んで2人を看てもらう。
で、僕は、その間に萌葱と剛士にお粥を作ろうとして失敗。
なぜか台所が爆発した。←訂正、大爆発。
寮の管理人と獅子堂会長に、萌葱と剛士と保険医を殺す気か!!っと、さんざん怒られ、放置した(見る影のない台所やリビングを放置)部屋をそのままに、2人を寮内の保健室に移動。
さすがにあの事故(大爆発)で、目覚めた剛士に冷たい目線を浴びた時、昔なぜ幼馴染が「しのぶは、台所に近づくな!!」と、しつこいくらい念を入れていたか、漸く理解できた。
雪、ごめん。雪の忠告ちゃんと聞いておけばよかったよ…。
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