続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
38.ごめんねぇ★
「つ、つよしくん、ご、ごめん…ごめんなさい。ごめんね、ごめんなさい。ごめんなさい」
あれ?ぼく何に謝っているんだっけ?
あ、そうだ、剛士くんに会いにいかないと…。お昼は一緒に食べて、剛士くんに告白の返事をして………。
あぁー、早く、昼休みにならないかなー。
お兄ちゃん、ぼく幸せだよ。
しのぶって言う友達ができたんだ。
しのぶが来てたくさん楽しくて、クラスの人も仲良くなって、でね、今度はちゃんと友達付き合いしているよ。
前はちゃんと友達を作らなかったから、みんな離れてしまったけど、今度は大丈夫!
委員長なんてね、今度ぼく等が住んでいた島に遊びに行こうって、話しを休み時間に言ってくれたんだよ。
それにクラスのみんなが賛同して、きっと、今度の長期休みは、島は大賑わいになるはず!島の旅館を貸切にできるかな?
でね、告白もされて………男の人だけどとてもかっこよくて、優しくて、男が恋人なんてって、お兄ちゃんは何て言うかな?
返事はもう決まっていて………あぁ、そうだ、剛士くんに告白の返事をしないと…。
「つ、剛士くん、だ、だい、大好き………あ゛ああああぁぁぁぁぁぁーーー」
当然、目の前に映像が見える、作りものの笑み。きれいな顔のサミエル副会長が、ぼくを失笑している。
いや、あれは違う、違う、違うっ!!
サミエル副会長の顔が歪んで、姿を変えて………剛士くん?
『汚い!!オレに触るな!!』
剛士くんが、ぼくの手を乱暴に払い、背を向けて歩きはじめる。
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…―――――」
誰かに抱きしめられる感覚。
ダメ!ぼくに触れたら、君まで汚くなる。触らないで!!見ないで!!ぼくから離れて!!
必死に手を動かし身体を離そうとする。しかし、そのたび強く抱きしめられ…。
気づくと、ふんわり懐かしい匂いがした。
「剛士くん、たばこはダメだよ!!」
一度だけ怒ったぼくに、「すまない」っと言って謝った剛士くん。
それ以来、本数を減らしつつ禁煙に努めているのをぼくは知っている。
初めは、一気に禁煙したらイライラがひどくて、「手当たり次第に襲いたくなる」とかなんとか、公恵くんに話していたらしい。
「襲うってどういう意味?」
ぼくのこの問いに公恵くんは、気になるなら剛士くんの側に行ってごらんって、言われて…意味はわからなかったけど、怖くて近寄れなくて、本数を少しずつ減らすことで解決策をとったようだ。
ぼくを抱きしめる服からわずかに匂う、たばこの香り…。
「ごめんね…。こんな、ことになって、剛士くん本当にごめん」
ぼくは、この言葉を最後に深い眠りに落ちる。
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