続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
36.急展開ぃ♪
*****
わからない………。ぼくは、昼休み確かに剛士のところに向かったはずだ。
でも、気付いたらサミエル副会長の部屋にいて………しかも、ベッドの上で裸!
ありえない場所が痛くて…。
愕然として、隣にいる…こちらも裸でいたサミエル副会長を見ると、作りもののような顔で微笑まれた。
あとは、必死で…。
床に落ちていた制服を必死で掴んでぎこちない身体で着込んで、廊下に出て………あれ?剛士くんがいる。
何で、ぼくを見て眉を寄せていの?…怒っているの?
何で、どうして、ぼくが悪いの?ぼくが何をしたの?
「わああぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!」
*****
狂ったように頭をかきむしり、悲鳴を上げる、萌葱。
剛士はその様子に動揺しまくりで役立たず。
「どけっ!ヘタレ!!萌葱に触る勇気もないなら、この部屋から出て行け!!」
僕の怒声が響く中、萌葱を必死で抱き寄せる。
「大丈夫。萌葱は大丈夫だから………」
そんな言葉しか思いつかない自分に腹が立つ。
暴れる萌葱の手が当たり、僕の頬や腕に傷を作っていく。それでも、力いっぱい抱きしめてあげるしかできなくて…。
「杉崎、どけっ!オレが替わる!!」
やっと現実に戻った剛士が、僕を押しのけ萌葱を抱きしめる。萌葱は剛士の腕の中で何回も何回も謝っていた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…―――――」
泣きながら何回も謝っている萌葱は、果たして何に誰に対し謝っているのかも今は分かってないのかも知れない。
謝るなら、僕の方だ。
僕のミス………僕は、【彼】の力に…萌葱の力にはなれなかった…。
僕は抱き合う2人を残し、部屋を出る。
向かう場所など1つしかない。
………ゴウエン…僕、失敗しちゃった。
うまくやれると思ったんだ。ゴウエンのように…ちゃんとやれると思って…。
生きていたころより自分はうまくやれる。
人間の頃では想像できなかった健康な身体、大切な師匠兼相棒………死神になってからも辛いこともあったけど楽しくて、自分の力に自信があって…大抵のことならうまくやれると思っていたんだ。
萌葱、ごめんね………。僕のせいだ。
涙が溢れる。僕が泣いても萌葱はもっと哀しいのに…。
寮と校舎を繋ぐ道を歩きながら、涙を甲で払う。
これからのことを考えないと…。
最悪、萌葱の転校も含めてゴウエンと話し合わなくちゃいけない。
萌葱の傷は深すぎる。
萌葱が自分で見つけた光に萌葱自身が目を背けたら、これまでの萌葱の頑張りはなくなる。
最悪、もう萌葱は光を捜すことを諦めてしまうかも知れない。
そうならないようにするには………。
「ダメだ…。ゴウエン、どうしよう?」
「ダメなら、強引に強行突破がオレの持論だ」
道の脇から、突然ゴウエンが現れた。
[後退〜♪][前進〜♪]
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