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続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
19.更生は無理ぃ♪

 その時の様子を思い出していると、公恵はクスクス笑って、『金魚のフン』と言われたショックで会長、会計、書記は、郷内ソラから身を引いて己を見直したと教えてくれた。

 外から見た郷内ソラの行動やその周りいる生徒達を目のあたりにして、会長、会計、書記は、愕然としたとかなんとか。

「あ!今、獅子堂会長と魚住会計と絽書記が郷内君の側にいる理由は、これ以上生徒達に被害を向けさせないようにするためだと言っていたよ」

「公恵、それって、副会長以外は郷内ソラを更生させているということ?」

 激しく『更生』させるのは無理そうだが、一応聞いてみる。

「うーーーん、まだ、副会長が郷内先輩にラブだから、あからさまにしていないけど、できるだけ注意はしているみたい。…でも、全く効果がないってぼやいていたな…」

「公恵は、生徒会の仕事を今まで維持していた。そのせいで、公恵の過労がピークに達して、今回倒れることになった。オレは、郷内に付きまとわれているから、なるべく公恵に近寄らないようにしていたけど、今回ばかりはそうも言ってられなくてな…」

 公恵に続く剛士の言葉に、「なるほど、それで今回は人目もはばからず、剛士は公恵に会いにきたのか」と、納得する。

 2人が幼馴染だと知れると、郷内ソラは公恵を構いとおす…。

 この学園を支えていた唯一の公恵が仕事をすることでできなくなれば、それこそこの学園は終わる…。

 そのため、2人は互いに接触することなく、今まで頑張って来たと言う訳か…。



 トントン。

「あ、のー、キミちゃん………!!ご、ごめんなさい!!」

 ノック音とともに突然現れたのは、絽書記………なぜ僕を見て驚き、謝る?

 若干ピキッと額に青筋を立て笑顔になってみると、それを見た絽書記は更に平謝りされ…。

 どんだけ、僕が怖いんだよ!!



「えっーと、絽君、何か用事があったのかな?」

 あまりにも見事な平謝りにいたたまれなくなった、公恵が声を掛けると、まるで目を輝かさんばかりに喜びの表情をする絽書記。

「うん!あ、あのね、今日ボク、ソラちゃんのところから抜けて来たから、生徒会の仕事はボクがするから、こ、このまま休んで!そ、それとね、数日間でもいいから仕事お休みして身体治してって、獅子堂会長から、て、伝言!」

 おつかいを頼まれ、褒められた子供………いや、忠犬ハチ公みたいに目をキラキラさせている、絽書記。



 公恵が倒れたことにより、あの集団から逃してもらったようで、ここに駆け付けたようだ。

 保健室はオートロックだけど、そこは腐っても生徒会、鍵くらいお茶の子さいさいっと開けられる鍵でも所持しているのだろう。

 て、僕も鍵のこと突っ込まれると、説明できないからここはスルー。


[後退〜♪][前進〜♪]

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あきゅろす。
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