続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
15.恋人ぉ♪
時が来たと思ったのは、いつもの郷内ソラと生徒会メンバーがぼくと萌葱の部屋に押しかけた時。
この中になぜか不良少年、筒井剛士がいない状況に何かあったとピンッと来た。
この頃、生徒会メンバーも萌葱に暴力は振るわなくなっていたが、ここでまた僕が離れると、とても心配だ。
しかし、この機会を逃すと…。
そわそわしている僕に萌葱が、「志似我先生と用事があるんでしょ?今日は1人で大丈夫だから、行って来て」と、声を掛けてくれた。
萌葱は僕とゴウケンが何か大事な用事があると、勘違いしていたのだが、この誤解を僕は解くことはせず、十分に萌葱に警戒するように言って、その場から離れた。
生徒会室をノックするが、返答なし。
感が鈍ったかな?きっと、ここで生徒会補佐、及川公恵と不良少年、筒井剛士が密談しているはずだと思ったのに…。
しかし、このタイミングで僕の師匠兼相棒の連絡が入る。
♪♪♪〜。
軽快なリズムが流れるケータイ。
通話を押せば、もう何百年も親しんだ人物の声。
≪しのぶ、目標ブツは今保健室にいる≫
「ありがとうございます。それにしても、すごい間の良いタイミングです」
≪あと数百年は、俺様に頭が上がらないと覚悟しろよ≫
「…了解です」
≪今回の件+只人にされた件は…俺はただ働きが嫌いだから…そうだな、そんな俺でも、恋人には甘い…それで、チャラになるが≫
「えっ!?あの話し本気だったんですか!?」
僕の驚きにゴウエンは、「俺は冗談が嫌いだ」と、言い通話を切るが、僕としては、どうやったらあれが告白になるのか…その場で考え込んでしまった。
ゴウエンに教えてもらった不良+生徒会補佐の居場所は保健室。
保健室に向かう道すがら、先ほどのことを考える。
それは遡ること数十年前。
いつものようにゴウエンと魂の回収に励んでいたが、1人の男の魂がダダをこねた。
「恋人に一言でいい、最後の別れの言葉を!!」
しかし、この時にはもうすでに男は死んでいて、それは許されないことだ。
そう、僕等が説得するが。
「お前等だって、恋人はいるはだろ!?俺は今の恋人をめちゃめちゃ甘やかしていたんだ!だから、最後も甘い言葉でお別れしたいんだ!!」
それは、はちゃめちゃな理論であり、僕はそんなの却下!!と口に出そうとしたが、僕より早く、ゴウエンが妙に納得して頷いく姿が見えた。
「気が合うな、お前。俺様も常々こいつを甘やかしてしまう」
素に戻ってこの発言したゴウエンは、男の魂を一時肉体に戻し、恋人に電話をすることを認めてしまう。
このあと、散々死神連中には馬鹿にされるわ、珍しく閻魔様とか閻魔様の側近に怒られるわ…想い出したくもない。
しかし、男の魂は満足げで、ゴウエンに「恋人は大事にしろよ」とかなんとか意気投合していた。
「恋人になれるかどうかは、こいつ次第」
男の魂と別れる際、ゴウエンが僕を頭に手を置き、こう話したのは冗談だとばかり…。
だって、告白らしいことされてないし………て、これって告白になるのか?ってことで…。
僕はそのあと、上記↑の記憶を何度も掘り起し考えてみるが、どうも納得できなかった。
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