続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
14.クラスの様子ぅ★
起き掛け一番、しのぶから生徒会補佐のことを聞かれた。
突然の発言に卵焼きを少々焦がしてしまったことは、残念に思うけど、何で生徒会補佐のことを聞きたがるのだろう?
ぼくが思わず首を傾げていると、しのぶは少し恥ずかしそうに「昨日、初めて知って…」と、頬をかいていた。
しのぶは転入して来てから、事あるごとにぼくを守ってくれている気がする。
曖昧に言っているが、そう言ってもいいくらい色々してくれて…。
例えば、強引に郷内くんに食堂に誘われた際、黙って一緒について来てくれて、さりげなく郷内くんから遠ざけてくれたり、生徒会の皆さまから呼び出しされそうになると、こつ然と姿を現し、怖いくらいの微笑+毒舌でぼくを引きずるように連れ去ってくれる。
親衛隊も同様に蹴散らし、陰口を叩く生徒にはそれ以上の発言(毒舌)をして皆を怯えさせる。
そんな、しのぶはきっと喧嘩も強いのだろうっと、思っていたが…。
しのぶの行動で、運動神経は『−100』ということが明らかになった。
体育の授業で、バレーボールをしていた時、顔面レシーブを連発。
バスケットボールのボールに乗り上げ回数は、片手の指では足りないくらい。
あまりの運動神経の無さに、さすがにクラスメイトと共に呆然としたっけ。
あ!そう言えば、クラスメイトは以前のように接してくれるようなりました。
郷内くんが来てから、どこかよそよそしくなってしまったクラスメイト。
それをぼくも仕方がないと諦めていたが、しのぶがぼくと普通に接する姿にみんな一斉に謝ってくれた。←※注意、郷内くんがいない時です。
ぼくはその謝罪を喜んで受け入れたけど、郷内くんがいる時は、ぼくから離れるようにって、いうことは忘れなかったよ。
クラスメイトもそんなぼくに何とも言えない表情をして、何かと葛藤しているようだった。
けど、それも、しのぶ君の一言でそれも解決する。
「萌葱はそう言ったけど、みんなはそれが嫌なんだよね?」
一斉にみんな頷く。
「なら、いきなりは無理でも少しずつ勇気を持って接すればいいよ。郷内ソラの対処の仕方は、不本意だけど僕の行動を参考にすればいいから」
この発言で、みんなの気持ちが浮上する。
この日を境に少しずつ…ちょっとずつでも少しずつ、クラスメイトは郷内くんがいても話しかけてくれるようになった。
一番話しかけてくれるようになったのは、委員長。
委員長曰く、しのぶが来てからかなり『郷内ソラの交わし方』を学んでいたそうで………今では、しのぶよりあっぱれに郷内くんを交わしています。
さすが、学年1位の成績を誇っている委員長。
あっ!そうだこんなことを回想している場合じゃないよね。
しのぶが知りたいのは生徒会補佐。
生徒会補佐は、1年1組、及川公恵(おいかわ きみえ)くん。
及川くんの容姿は、生徒会補佐をするだけあって美少年です。
サラサラな黒髪、真っ黒な澄んだ目…同じ黒髪黒目のぼくと全く違ってとても可愛い容姿をしている。
そして、真面目な及川くんが今、生徒会業務を一手に引き受けているようだ。
実際、ぼくも生徒会室に連れ込まれた際、その様子を見たことがある。
この頃、及川君は顔色が悪くて、及川くんの親衛隊も心配して陰ながら手伝いをしているようだ。
そんなことをしのぶに話すと、最後に不思議な言葉を言われた。
「筒井剛士と及川公恵の関係は?」
ぼくが首を傾げたのは、何も知らないからなのだが、その名を出したしのぶのこともこの時、とても不思議で…。
[後退〜♪][前進〜♪]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!