続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
13.生徒会補佐ぁ♪
只人になっている現段階の僕等には、死神の力は使えない。
それは、人間になった瞬間から納得しているが、唯一納得できないことは、なぜかゴウエンが白扇子を持ち歩いているせいだろうか?
ゴウエンが持つ、白扇子は、戦闘時、鉄扇藤香(てっせんふじか)に早変わりする。
大鎌を持ち、鉄扇を持つゴウセンは、『烈火』と評されるのを納得するほどの戦闘能力を持ち、鉄扇に描かれた藤棚を振り回す様はなぜかとても美しい。
「お前、早く【彼】の願いを叶えてやりたいからって………フゥー、仕方がない。でも、学園の外に出る時は俺にも言えよ」
普通の人間になっている僕の戦闘能力は皆無。
もしかしたら、それより酷い状況かも知れない。
だって、何もないところで転ぶのは日常茶飯事…。
体育は全てコメディーを素でやってしまう状況。
不器用で何もできないし………萌葱が家事でできる人でどれほど嬉しかったか。
て言うか、萌葱、よくこんな僕を見捨てないよ〜。
「もう学園外の調査は止めるけど………。死神の時、僕これでも優秀だったのにね。もしここで喧嘩なんてことになったら、僕って死亡フラグ確実かな?」
「………しのぶ、とりあえず、生徒会の連中には喧嘩を売るな!」
「現段階で、それはちょっと無理なような気がしますけど…」
萌葱といる限り、目を付けられているのは確定。
しかも、もうすでに生徒会と接触している。
それでも、日々僕はなんとか萌葱を守り、筒井剛士を調査し………てか、筒井剛士は何をしたいのか?
ぼんやり、ベッドに腰掛けそんなことを考えていると、壁に寄り掛かっているゴウエンが、顎に手をかけて何かを思い出したかのように発言をする。
「一度だけ、筒井剛士が生徒会補佐の奴と一緒にいたのを見た。これが、重要かどうか俺には判断はできん。しかも、これはお前が果たすことだしな」
「筒井剛士と生徒会補佐………」
この時、正直言って生徒会補佐がいたことを初めて知った。
当たり前だが、生徒会補佐の情報は、僕には何一つわからなくて…それでも、意地のようにゴウエンに聞かなかったことは褒めたい。
でも、きっとゴウエンはそんなことも分かっていたと思う。
忍び込んで来た窓から去る間際、「生徒会補佐のことは、友達に聞け」っと、言われてしまったから…。
ほんと、僕のことを良く見ている師匠だよ。
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