続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
11.取り巻きですぅ♪@
萌葱の言葉をじっと聞く。
内容は事前に【彼】とゴウエンの報告書で知っているが、本人から聞くとそれは酷いもので…。
暴力部分は声を濁しているが、明らかに受けたと思われる。
今だって無意識に萌葱はお腹や腕を擦るようにしているし…。
やはり、郷内ソラの告白がいじめに拍車をかけているのは明らかだ。
そして、そんな郷内ソラの取り巻きの名を刻みつけるように、萌葱の言葉を静かに聞く。
「郷内くんの取り巻きは、生徒会長、3年1組、獅子堂一喜(ししどう かずき)先輩。副会長の2年2組、サミエル・ヴァルゴさん。この人は先月までイギリスの学校の交換留学生だったけど、今はこの学園の生徒になっているんだ。あと、会計の3年3組、魚住泉(うおずみ いずみ)先輩と書記の1年4組、絽おうし(ろ おうし)くん。絽君は日本と中国とのハーフだよ」
ここまで、一気にしゃべり出す萌葱…。
あまりに人数が多いため混乱している人がいると思うので、ゴウエンが調べたものも含めまとめてみます。
生徒会長、3年1組、獅子一喜。
彼は郷内ソラが来る前は、強引なやり口であるものの、生徒達に慕われるカリスマ性も持つ先代の生徒会長もまっつゃおな完璧主義者の生徒会長だったようだ。
恋は盲目なれど………いつまでも夢ばかり見ていないで、現実を見て欲しい。
「でもね、会長は本当は凄い人なんだよ!ぼくも凄く憧れているし―――」
現に萌葱など一番暴力を振るう人物が獅子堂にも関わらず、必死に郷内ソラが来る前の会長は素晴らしい人物だと力説している。
副会長、2年2組、サミエル・ヴァルゴ。
この学園とイギリスのどこかの学園との交換留学生。
しかし、日本語が達者で留学生にもかかわらず、副会長に職に就いてしまったお人。
その後、郷内ソラのどこをどう惚れたのだが知らないが、留学生からここの学園の生徒に転入、今に至るっと。
この人は萌葱に直接的な暴力は振るっていない………が、それよりタチが悪く、自分の親衛隊に何やら命令していて、間接的に暴力を振るっているようだ。
会計、3年3組、魚住泉。
チャラチャラしている性格を注意され、郷内ソラに惚れる。
………これを聞いて、ほんと?と思ってしまったが、どうも、愉快犯すぎる性格のようで、惚れる云々は別にして現状を面白がっているようだ。
ゴウエン曰く、恋愛感情は皆無。
唯一、生徒会の中で、萌葱をいじめていない人物のようだ。
書記、1年4組、絽おうし。
中国系ハーフであるためか、格闘技系が趣味?の人で、こいつが一番ネックかもしれない。
萌葱をいじめる回数で言えば、獅子堂会長が一番なれど、一番ダメージを受けるのはこいつの攻撃だから。
1年なのに僕より背は高いし………うん、絶対僕こいつ嫌い!!
実際、僕の身体の年齢は、15歳の中学3年生当時のままだ。
それは、死神になってからも変わることはないが、前に僕の肉体をあげた彼は、少しは成長していたはずで…。
「なんで、閻魔様は僕の身体を成長させてくれなかったんのだろう(怒)」
この言葉にゴウエンは苦笑いしつつ、「健康体になっているんだ、それで我慢しろ」と、諭されてしまった。
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