続・死神とダンス♪〜君を救う光〜
07.イトコの志似我ですぅ♪
「私の名前は、志似我未豪(しにが みごう)でぇ〜すぅ♪6月半ばの中途半端な時期ですがぁ〜、今日から、○○先生が長期入院のためぇ〜、臨時の歴史教師として赴任しましたぁ〜。2年3組のぉ〜、副担も兼ねるのでぇ〜、よろしくお願いしまぁ〜すぅ♪」
「ブハッ!」
切るとこ違えば、『しにがみ ごう』!イコール『死神ゴウエン』の『エン』がないだけ!?
何ていう名前を現世で使うんだよ!!
黒板に…これまたおちゃらけた文字が楽しそうに踊っている中、ぼくは笑いと言うより何かを吐き出すようにしてしまう。
僕の心の声などゴウエンには通用しない…。←当たり前だが。
で、ここで僕の自己紹介になるはずが、なぜかここで志似我先生、もとい、ゴウエンからお言葉が上がり。
「それとぉ〜、この子は、私のぉ〜、大事なイトコの杉崎しのぶクンでぇ〜す。仲良くしてくだぁ〜い」
「「「………」」」
ゴウエンが僕の身体の向きをかえ、肩に手を置きながら発した言葉に皆無言。
てか、イトコ同士である事実にみんな、ぼくとゴウエンをガン見中。
自分でいうのも何だけど、クォーターで天使の容姿の僕と、真っ黒な髪の七三分け、スーツは黒、手には白扇子………現世での死神スタイルのゴウエン。
対照的な僕等は、どう見ても『血は繋がっています』など、見えない訳で…。
でも、ここでも平然と嘘を吐き続けるゴウエンがいる。
「しのぶクンのぉ〜、お母さんはハーフだったんだよぉ〜。私と似てないけど、ちゃんと血は繋がっているからねぇ〜」
ゴウエンは無難にフォローしているみたいだが、クラスメイトからは「人間の神秘」なんて呟きが聞こえてきた。
で、こんな風にとんとん拍子に進んで行く中、教室はかなり平和だ。
萌葱は、ここではいじめの対象とされずにすんでいるみたい。
時折り、気遣うような気配も感じる。
しかし、話し掛けてくる者は誰一人いないみたい…。
いじめを受けている理由は、ゴウエンが一日延ばしにして死神となっている間、調査してくれたのでわかっている。
『郷内ソラ』…この生徒が問題で、萌葱は苦しめられている。
郷内ソラの席は萌葱の隣………しかし、いまだその人物は現れない。
体調でも崩しているのだろか?なんて、思わないよ。
ゴウエンの調査で分かっているからね。
いじめが酷くなったのは、郷内ソラが萌葱を「好きだ」と発言してから…。
しかし、そう発言したものの、郷内ソラは、誰かに誘われればその誘いに乗り、今はたぶん生徒会室あたりにいるのだろう。←そう、ゴウエンの報告書に書いてあった。
何ともこれでは本当に萌葱が好きなのか?と疑問に思っている中、午前中の授業を受ける。
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