男前なんかじゃない!!2
082.激入れ。bP
会場表では、マイクを持った進行係りの生徒が、生徒達を盛り上げている声が聞こえ、そして…。
「では、ここで団長3名の登場です!ちなみに、生徒会長候補でもありますから、皆さん盛り上げていきましょう!!」
進行係りの声にぼく等はステージに上り、皆の盛大な歓声を受ける。
「光輝ちゃん、可愛いこっち向いて〜〜〜!!」
「きゃーーー!!カイリ様、今日は一段とかっこいいーーー!!」
「結城君、頑張れーーー!!」
みんな朝から元気だね…。でも、できれば黄色い声援は止めて欲しいです…。
で、毎年恒例となっている団長の激入れ開始!
一番手は仲谷くん。
「赤組団長の仲谷光輝だ!みんな、わかっていると思うけど、おれのために絶対勝てよ!!それと、絶対、宗次郎には負けるな!!」
最後の台詞に声援とヤジが上がると、それから数分間仲谷くんの1人舞台で…永遠と………永遠と話し始める。
内容としては、スイちゃんの仲とか、この体育祭にかける意気込みなんて話を続けていた。
「それと!!これだけは言っておく!!―――」
「<仲谷団長!!ありがとうごさいましたぁ!!>キィィィーーーン!!」]
仲谷くんの1人舞台に割り込んだのは進行係り………しかも、仲谷くんに負けるものかっと思ったのか、仲谷くんよりも大きな声を発したため、最後は余韻まで響かせる。
この後、ぼくとカイリくんの激入れがあるけど、これでは誰も聞いてくれないのでは?てか、順番なんて来てほしくない気持ちだ。
「す、すみませんでした。とりあえず、気を取り直して、続いて黄組団長の一乗寺カイリ君に激を入れてもらいましょう!」
………何とか事態を回復させた…というか、仲谷くんが風紀委員にステージ裏に強制的に下げられたおかげで元に戻り、進行係りが若干疲れている中、カイリくんの激入れが始まる。
「………オレからは、1つだけだ。オレには目的があり、団長になった。この目的はのちこの学園のためになると言っていい。よって、黄組は赤組だけを潰すことを考えろ!!さすがに暴力的行動は禁止するが、それ以外なら邪魔は黙認する!黄組は優勝か………青組だけを優勝させることを考えろ!!」
「えっっ!?」
ぼくはカイリくんの言葉に驚くけど、ぼくの声はこの後起きた歓声によって、誰にも聞こえることなく消えた。
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