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男前なんかじゃない!!2
おまけ(Side.蘇真弓)

 風紀室に立ち込める甘い匂い…。

 さすがに風紀のメンバーに悪いことしたな………とは思わず、大爆笑。

「わっはははははははーーー!マジ、おもしれー!!風紀室に入って良人の顔を写メりてー!!」

 俺がいる場所は、風紀室の廊下。

 本当は、ソウと一緒に入る予定ではあったが、ソウが大量に持ち込んだカップケーキが俺のせいだと知れると、さすがに良人が暴れる(俺に)ので、ここで待機している。



 昨日、泣き電話をよこした、ソウ。

「風紀委員に詫び品っということで、カップケーキを作りますが、皆さんどのくらい食べます〜?」

 電話口で心配そうな声が響いた。

 その時、俺は今世紀自他ともに認めるくらいの、ものすごい良い笑みをしていたと思う。

「あぁ、風紀委員は甘いものが<大好き>(←強調)で、ものすごく食べるぞ!大量に作ってやれ!!」

 ソウは、俺が人並みに甘いものが食べることを知っていたので、風紀委員もそうなのかー、程度に思ったことだろう。



 本当は、平凡顔の良人をはじめ、不良顔の風紀委員全員が甘いものが嫌いだ。

 しかし、残念ながら今ここでその事実を知っているのは、俺だけで。

 俺は、常日頃から風紀委員に対し………特に、良人(副風紀委員長)には、それはそれは、無理難題を押し付けられている。

 ………こんな、絶好の機会を逃すはずはない!!

 ニヤリッ!

 とても良い笑みを浮かべているのは、当然だろう?






 翌日。

 素直なソウが、俺の言葉を信じ大量に作ってきたカップケーキ。

 それを大型のクーラーボックスに入れ、必死に担いで持って来た姿に笑えた。

 学園で、ソウは『クールキャラ』を演じているため、生徒達にカップケーキを見せることも(匂わすこと)できず、クーラーボックスに詰めて来たのであろうが、元々体力がないのか、俺の顔を見た瞬間、『助けて下さい、真弓せんぱ〜い』と、眉を情けなく下げていた。

 もちろん、俺は風紀委員設立以来の嫌がらせ品を大事に、大事に扱うためソウから受け取り、風紀室まで運んで行く。



 それから数分後、風紀室は甘ったるい匂いと、悲鳴に似たうめき声が聞こえる阿鼻狂乱の室内になったが、俺はかなり満足している。

 俺の手の中には、ソウからもらった『友チョコ』…。

 今日は、2月14日バレンタインデー、こんな日もたまには面白くていいだろ。

 ソウからもらったチョコをひとかじりして、廊下で再び笑い出す。






『男前』の油断 END



 本当は、おまけはなかったのですが、弓視点があったほうが面白いかな?っと、思って、急遽書いてみました。てか、弓根性ワル!!←でも、好きです。

 柑橘トリオは、本編終了のおまけでも活躍?する予定です。お楽しみに♪


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