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男前なんかじゃない!!2
bU(Side.柑橘トリオ)

 俺等は頑張った………頑張って、総長(※蘇真弓)を見つけたよ!

 レモンは素で泣き、ミカンはそれに突っ込みつつハンカチを渡し、ユズはミカンの制服に鼻水を付けながら喜んでいた。

 バンザーーーーイ!!



 しかし、だ。

 総長は、ケータイで誰かと話しをしていて………次の瞬間。

「わっははははははははは!!!そうか!!良くやった、ソウ!」

 と、大笑い。

 ここは、人気のない空き教室。総長お気に入りのお昼寝スポットだ。

 そんなところで、馬鹿笑いする総長は………少し、怖い。←ある意味すごく怖い。

 しかしながら、下っ端の俺等はじっと総長のケータイが終わるまで、大人しく正座して待つ。

 もし、ここで話しかけようものなら………ブルッッ、一瞬自分達が土葬されている姿が目に浮かんだ。



 ケータイの電源をご機嫌な様子で切る、総長。

 気味が悪い………。いやいや、それよりも早く、副総長の元に連れて行かなければ、俺等の命はない!て、ことで。

「総長、副総長がお呼びです!!早く、副総長の元に!!」

「何でも、火急の相談事があるそうで…いや、相談事とは言ってないから、別な用事かな?」

「どっちでも良くない?どうせ、結城会長のことだと思うし…」

 上から、突っ込み担当のミカン、ボケのレモン、大ボケのユズ………と、あまり迫力のない俺等の台詞が飛び交う。



 いつもなら、ここで総長の突っ込みという鉄拳が飛んできそうな状況だが、なぜか気味の悪い笑みを浮かべたまま、俺等にニヤニヤしいている姿が目に映る。

「「「(総長!!何か!何かあるんですかぁ〜!!)」」」

 恐怖のあまり、正座姿のまま後退りそうになると…。

「オマエ等、ソウに対して負い目がめいいっっぱいあるんだよな?」

 総長の言葉に俺等は元気に頷く。

「ソウがそれに対して、例えば、火の中に行けと言っても、乱闘の中に1人特攻かけろっと言われても行くよな?」

 例えの意味としては、あまりにもリアルな例があった気がするが、それでも、風紀委員である俺等は、反省の意味も込めて再度頷く。

 ニヤリッ!

 ………総長が、とっても、とっても、素晴らしい黒笑みをした気がする。



 それからの総長の行動は早かった。

 手に持っているケータイで副総長に電話をし始める。

 内容はこうだ。

「良人、俺は今日これから街に降りる………あ、そのことなら、明日宗次郎と風紀室に向かうことになっている。説明もそこでする」



 総長は、そう言いたいことだけ副総長に話し、副総長が怒鳴り声で何か話しているうちに電源を切る。

 俺等はそれがとても恐ろしく………その後、俺達は総長について街に降りた。←要するに、副総長が怖くて総長にくっ付いて行った。



 翌日、結城会長が大量のカップケーキを持ち込み、風紀室に殴り込みをかけて来た。

 それを見た瞬間、俺等、風紀委員は身構えたが、あまりも見事な土下座まがいの謝罪&弁明。

 潔く過ぎて怒るに怒れず、副総長が渋々許すと………結城会長はワンコになっていた。



「はぅぅぅーーー。良かったよ〜。皆様、ほんとっうにごめんなさい。こんな、ぼくですがよろしくお願いします」

 はにかんだ笑みを見せ、素に戻ってしゃべる結城会長は、ものすごく可愛く………。

 強面の特攻隊長や笑わないと有名な情報担当の幹部までもが、結城会長の頭を撫でで可愛がる。てか、俺等、柑橘トリオも少し離れた場所からほのぼのしてしまった。

 が、結城会長から、「これは、お詫びに皆様で食べて下さい」っと、渡されたものに俺等はこのあと泣くはめになる。



 風紀委員全員が、甘いものは好きではなかった…。

 総長なら少しは食べるが、この時、一緒に来るはずだった総長の影は見えず…。

 副総長の声が、風紀室に木霊する。

「これは風紀の謝罪も意味も含まれている。死ぬ気で食べろ!!」

 その後、風紀室は青白い…土気色した風紀委員で溢れることになる。

 俺等、柑橘トリオも頑張った!!下っ端は辛い………なぜか大量にカップケーキを作って来た結城会長、少し殺意が芽生えました………。






おまけに続く♪→


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