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男前なんかじゃない!!2
bQ(Side.風紀副委員長)

 昨年、風紀は、さんざん2年の轟勲(とどろき いさお)に踊らされた。

 いや、これには語弊があり、唯一、風紀で踊らされなかった奴がいる………風紀委員長、蘇真弓(そま ゆみ)。



 風紀副委員長、池田良人(いけだ よしと)………これが、僕の学園での地位。

 弓とはダークという族をしていて、弓が総長、僕が副総長をしている。

 そして、風紀委員の全ての人員がダークの幹部やら下っ端やら。

 もちろん、この学園外の奴等もいる。それなりにデカいグループで、僕達に喧嘩を売って来るものはいない。

 そう、それを理解した上で、轟勲に騙され踊らされ、且つ、無駄に生徒会会長に因縁をつけてしまった風紀委員(弓は除外)は、当然怒りを覚えた。



 しかし、僕は轟より、1人轟に引っかからなかった弓に怒りを覚えた訳だが、弓の言い分としては。

「何回も俺が言ったのに、オマエ等が信じねーからだろーが」

 弓の言いたいことは分かるが………なぜか、納得いかない。



 風紀委員として微妙な時期に転校して来た、結城宗次郎には目を向けていた。そして、生徒会会長になってからは、当たり前だが接触もできた。

 が、結城宗次郎と話した内容は…。

「あぁ」

「その件は、スイに…(訳…スイちゃんに聞いて)」

「問題ない」

 ………これくらいしか、僕は結城宗次郎とまともに話したことがない。いや、会話が続かない。

 これで、自信過剰な馬鹿ではあるものの前生徒会役員補佐であった轟勲と、クールというか、ボキャブラリーのかけらもない結城宗次郎を天秤に掛けるとなると、微妙に…ほんの少しだが、わずかに轟勲に傾いても仕方がないと思う。



 それでも、こちらが勝手に轟の言葉を信じ、結城会長を敵視したことは、反省してもしきれない。

 まぁ、今回ばかりはこちらの落ち度…と、風紀委員全員で謝罪しに行こうとするが、なぜか弓に大笑いされ、更に風紀の印象が悪くなるとかで、結局現在になっても、まともに結城会長に謝罪らしきものはしていない。



「結城宗次郎は、葉山翠(はやま みどり)を脅し会長職を手に入れた。クールは見せかけで、学園の生徒を裏から操っている」



 今更ながら、轟のこんな言葉によく踊らされたよ。

 確かに、風紀委員の天敵、愉快犯的な双子やこれまた風紀委員をいつも小馬鹿にしている、一乗寺カイリ&二条卓磨が懐く結城会長を良く思う奴なんていなかったと思う。

 しかし、風紀委員である僕達は、偏見を持つべきではなかった。



 落とし前を付けなければならない。いや、それよりも謝罪を受け入れてもらえないなら、そのくらいの働きをせねばっと…。

 結局、弓を外した風紀委員で考えついた結果だが、『陰ながら結城会長を守ろう!』などという結論に達した訳だ。

 特別、生徒会会長に害する生徒がいると言う訳ではないが、会長という立場であれば、不良の生徒には良い印象はないし、はたまた親衛隊とは違うストーカーなどと言うものが、いるかも知れない。

 そんな訳で、日々気配を消し結城会長を見守り、時には害のある人物を排除していた訳だが………。



「オイ!この今の状況を誰か説明しろ!!」←宗次郎に聞こえないように小声だが、ヤンキーモードになっている良人。

「「「ヒィィィ!!」」」

 僕の台詞になぜか下端風紀委員の悲鳴が上げる。


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