男前なんかじゃない!!2
079.落ち着かない時は…。
明日のことを考えると胃が痛いですぅー!
こんな時は、お菓子作り!!
薄力粉、バター、グラニュー糖、。卵とグラニュー糖でメレンゲを作って…。
あーっと、生クリームは、まだあったかな?苺は………諦めるとして、缶詰のみかん、桃缶、あとパインもあったかなー。←宗次郎が、何のお菓子を作っているのかは不明。
仔ネズミのように動くぼくにスイちゃんは、苦笑いしているけど、こんな落ち着かない時は、お菓子作りが一番!
ほんとは、手芸とかにすれば、動かなくて済むのだけど…。
きっと作品が出来上がっても、びっくりするくらい酷いことになるのは、想像するまでもないし、それなら、お菓子作りのほうがマシ!と、思ってしまったのです。
本来の乙女キャラがバレてから、寮内でお菓子作りをしている、ぼく。
隣近所に甘い匂いが立ち込めても、今では「またか〜」程度に思われるだけ。
初めは、ギャップが酷かったらしくて、甘い匂いが制服についていると、皆頬を引きつっていたのを覚えている。
でも、ぼく、頑張りました〜!!
毎日のごとくお菓子を作り、隣近所に「仲良くして下さい!」と、配りまくり、で、ついでとばかりにクラスにも差し入れ。
隣にいるスイちゃんが、さすがに、甘さたっぷりの部屋で気持ち悪くなって、一時カイリくんの部屋に退避していたこともあるけど…。
でも、これを乗り越えると、普通にお菓子作りができると思って、みんなの脳に『宗次郎=お菓子作り』をインプットさせるよう努力した。
その甲斐あって、今は晴れてぼくは堂々とお菓子作りができますっ!
もちろん、この部屋に移ってから、ぼくのアップルパイとうっちゃんの紅茶のコラボを果たすことができました。
「結城、お菓子作りはいいけど、少しは私も構って下さい」
いらずらっぽく微笑むスイちゃん。
僕は、あとはオーブンで焼くだけだから…っと、思い、エプロンを外しながら駆け寄る。
「おいしいフルーツケーキ焼けるよ!でも、スイちゃんがそんな冗談言うとは思わなかった」
「結城、隣に座って下さい」
スイちゃんの言葉に座り心地の良いソファーに座ると、フワリッと包み込むように抱きしめられる。
「スイちゃん?」
「練習お疲れ様でした。今回ばかりは、結城のお手伝いができなくて、すいません。明日は、私も全力で頑張ります」
「お疲れ、スイちゃん。お手伝い云々は、分野が違うから仕方がないとしても、明日、ぼくリレー頑張るね!」
まだまだ走りはぎこちなく、きっと、カイリくんや仲谷くんより遅いけど、一生懸命走ろう。
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