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男前なんかじゃない!!2
076.練習開始。

「腕を大きく振って………そう!そのまま歩幅を広げて!」

 ドタッ!

「ぜー、ぜー、ぜー、ぜー(エンドレス)」

「大丈夫、結城様?はい、タオルと………その傷は消毒しますね」



 会話文だけですいません。上記↑のことを説明します。

 初めに腕を振るよう勧めていたのは、陸上部エースの寛治くん。

 で、それに応え走っていたぼくではあるが、転び→で、只今、望くんにタオルを渡され、治療中…。

 あまりの情けなさに涙が出ちゃいそうです。

 ちなみに、この場にスイちゃんはいません。

 最初はいたんだけど、スイちゃんは、ぼくが転ぶたび顔が青くなっていって、ぼくはそれを見てられなくて、「大丈夫だから、スイちゃんも体育祭の練習をして」っと言うしかなかった。

 心配そうに去るスイちゃんを卓磨先輩が半ば強引に引っ張り、今、ぼく、寛治くん、望くんの3人で、走りをどうにか改善できないか実践しています。←卓磨先輩も同じ組です。

 ここはグラウンドではなく、校舎裏の人気のない場所。さすがに恥ずかしくて、ここで練習場にするしかなかった…。



 ぼくの走りになにやら考え込んでいる、寛治くん。

 なんか、死刑執行(※諦めろ的なことを言われる)されるような気がして、ぼくはビクビクしているが、望くんは、そんな寛治くんの様子にキッと目を鋭くし睨んでいる。

 そんな望くんの態度はとても、とても嬉しいけど、どうせダメだしされるのなら、傷が浅いうちに………なんて、考えているぼくだったりする。



「たしか、結城君は成長期前の時も運動神経がニブ…あまり、よろしくなったんですよね」

 ………寛治くん、はっきり、言っていいよ〜、『ニブイ』って〜〜〜。

 半泣きになりつつ、「はい…」と、弱弱しく答える。

「では、成長期を迎えてから、走りの歩幅とか足の上げ方とか変えていますか?」

「???」

 何それ『歩幅』なんて気にすること?『足上げ』?チアガールみたいに上げるの?

 全く予想外のことを考えているぼくに寛治くんが、色々説明してくれる。



「身長の割に歩幅が短い気がします。あと、足の上げ方ももう少しスライドを伸ばすように上げて、手の振りは固くならないように自然に…」

 寛治くん、言葉にしてくれるのは嬉しいが、今の説明でぼくの頭と身体かついていっていません。

 グルグル回る頭………そんな、ぼくに心配している望くんは、それ以上説明させないように止めてくれた。

「寛治、言葉で説明されても…だから、少しずつ実践してったほうが」

 涙目になりながらも、ぼくも頷くように首を縦に振ると、寛治くんは、「すいません、興奮し過ぎて…」なんて、頭をかきながら謝罪する。



 陸上部で熱血の寛治くん…。その後の指導は、スパルタでした。



 ※寛治君の指導法は、愛兎の勝手な妄想です。えぇーーー!こんなの違う!と、思う人はあくまで愛兎の妄想ですから!ってことで、許して下さい。


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あきゅろす。
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