男前なんかじゃない!!2
066.文化祭終了。
カイリくんの父、空也さんの見送りをして、教室に戻ると父さんと幸江田理事長も退室するようで、少し寂しく感じる。
ぼくの気持ちがわかるのか、ぼくより高い身長から目じりを下げ、頭を撫でている、父さん。
父さんは、最後にぼくに「頑張れ」って、言ったけど、ぼくは文化祭ももう終わるし何を頑張るんだろう?なんて思っていた。
しかし、それは文化祭のことではなく、ぼくの心の中の奥深くで悩んでいたことに対しての励ましだったと、その後、気付くことになる。
文化祭は、成功を収めた…が、混乱に陥っていたところがあり、それにぼくは心を痛めていた。
もし、あの時、ぼくにもう少し勇気を出せていたのなら…。
『もし』や『たら』など、その時は考えもしなかったけど、日が経つにつれ苦い思いが溢れてくる。
生徒会………あと、数週間で体育祭と言う名の会長選挙がある。
ぼくはどう動くべきか…。
今、混乱に陥っているのは、生徒会。
ぼくは、このまま何もしないままでいいのだろうか?
このまったりした時間は好きだ。
もともとぼくは、こんなゆったりとした学園生活を望んでいたはずなのに…。
どうしてだろ?カイリくんや卓磨先輩、姿は見ないまでもうっちゃんやさっくんが水面下で生徒会の手伝いをしていると聞かされると………。
「スイちゃん…。ぼく等だけ前生徒会なのに手伝わなくてもいいのかな?」
こんな質問はズルいと思うけど、スイちゃんに聞いてしまう。
そのたびスイちゃんはぼくの微笑み「私達では力になれませんから…」と、力ない言葉を言われる。
ぼくは、仲谷くんにスイちゃんとの恋のライバルとされて嫌われているし、スイちゃんは、奥村くんが勝手に前副会長であるスイちゃんをプレッシャーに感じていて、手伝いを拒否されている。
一番初めはそんなこと感じず、奥村くんはスイちゃんに質問などしていたのに…。
奥村くんがこうなった原因は、仲谷くんらあるとみんな話す。
何をしても前副会長であるスイちゃんと比べられる奥村くん。
奥村くんは、頭が良いようだがそれは勉強であって、本来バスケ部に所属してスポーツマンなのだ。
言うなれば、ぼくが初めて生徒会に係った状況に似ているのかも知れないが、ぼくの場合はスイちゃんという指導者いた。
しかし、奥村くんは………。
それに輪をかけて、仕事をしない生徒会会長を抱えている奥村くんは、現在かなりストレスが溜まり、酷い状態らしい。←カイリくん情報。
カイリくん達も何度か手を差し伸べているが、どうやらむきになっているらしく、素気無く断られている。
と、ここで仕事をしていない生徒会会長とは仲谷くんのことだが、彼はいつもどこにいるのかというと、スイちゃんを追いかけ回したり、取り巻きのとこに行っているのだが、この頃それも変わりつつあるようだ。
補足…ぼくら2年1組、ワッフル屋はそれなにに文化祭出し物の上位だったが、破壊した備品費を引かれ、生徒会のご褒美はもらえなかった。
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