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男前なんかじゃない!!2
063.ダンディなおじさま達。bP

 3人のダンディなおじさま達が、ワッフル屋さんに鎮座している図。激しく浮いている気がする…。

 1人はぼくの父さん。ぼくの登場に垂れ目の目が尚更下げられ、男前な顔が崩れまくっています。

 父さんの右側に幸江田理事長。仲谷くんが転校して来る前に挨拶して、仲良くなっていたので思わず笑みが漏れる。

 父さんの友達で、ぼくの性格も幼い頃から知っていて、1年前、ぼくにこの学園を薦めてくれた人でもある。



 ここで幸江田理事長に笑みを浮かべていると、父さんの左側にいる人が、幸江田理事長を鋭く睨んでいる。

「さーちーえーだぁー!もしや、英次先輩の言葉を忘れ、宗次郎君に近づいたのかぁ〜!」

 巻き舌風に言うその人は、どうみてもスーツも靴も時計も高級品ブランドに包まれていて………ヤ、ヤクザさん来店!?

 で、でも、父さんと一緒にいるしぃー!!…でも、父さんは見かけで人と付き合わない!………でも、ヤクザさんが父さんの知人ってことは………はっ!もしや、うちって取り立てにあっているとか!?

 思わず、涙目になりながら父さんに訴えるような表情を浮かべていると。

「空也、奈留人はここの理事長だ、宗ちゃんと面識があるのは当たり前だ。それに、それ以上何か言うと宗ちゃんが怖がる。ここにいるのが嫌だったら、さっさと会社に戻れ!」

 父さんの言葉にヤクザさんは、「英次先輩、今日はオレも休みですよー」と、声を上げ、同時にぼくに先ほどとは違う満面な笑みを浮かべる。

「はじめまして、宗次郎君!オレはカイリの父で、一乗寺空也(いちじょうじ くうや)です!………って、オレのことはもちろん、カイリから聞いているよね♪」

 先ほどとは違い、ぼくの両手を握りしめニコニコしているカイリくんのお父さんの空也さん。

 聞かれた内容に思わず、首を傾げると、今度は首をぐるっとまわしカイリくんに鋭い視線を向ける。

「カイリ…オレは言ったよね。夏休みに宗次郎君を連れて来ることができないのなら、オレがどれほど宗次郎君を想っているか、懇切丁寧に説明しとけと!!」

 地の底から聞こえるような低い声で凄まれているはずなのに、カイリくんは平然としています。

 そして、あろうことか逆に空也さんにギロリッと睨み。

「馬鹿か、親父!!そんな話を宗次郎にしたら、宗次郎に好かれるところか変態のレッテル貼られるだろ!しかも、オレは親父の息子だし、必然的にオレにも被害がくる話しを宗次郎にする訳ないだろ!!」

「何だその口のきき方は!!宗次郎君に振られたからと言って反抗期でもぶり返したか!せめて、オレのことは『パパ』と呼べ!」

「クッ…死ね!親父!!」



 その後の展開の速さについていけない、ぼくをはじめクラスメイト達…。

 言い合いをしつつ、カイリくんはどこからか(厨房から)武器(フライパンなど)を空也さんに投げ続ける。

 もちろん、空也さんは笑顔でそれを避けているが、ぼく等は他のお客さんに顔を引きつりつつ、避難を促すしかない。

 しかし、なぜか隣にいる父さんと幸江田理事長は、平然としてお茶していられるのかな?←2人は全く被害を受けていない。

 委員長さんは、これで生徒会のご褒美は無くなったと肩を落としているが………うん、これは諦めるしかないよね。


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あきゅろす。
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