男前なんかじゃない!!2
058.文化祭1日目。bP
誰か夢だと言って下さい!ナムナムナムナムナム…お経を唱えてもいいでしょうか?
いやいや、それよりここ四ツ谷学園は、全寮制の男子校だよね!!
文化祭開始の挨拶が放送で流され…と、同時に2年1組、ぼく等のクラスのワッフル屋さんも開店した。
そこまでは、良かったのだけど…。
「きゃ〜〜〜!カイリ様、こっち向いて〜〜!」
「いや、葉山様、かっこいいですぅ〜、ぼくと握手して下さい!」
薄化粧にグロスでテカった唇、目もどこかパッチリしていて少女めいた感じに見える生徒達が押しかけて来た。
ここでもう一度念のため…四つ学園は全寮制の男子校!!
「きゃー!宗次郎様にお茶を運んでもらえるなんて!嬉しすぎて死にそー!」
いっそ、死ね。
思わず素で柄が悪くなるぼくだけど、それは顔色が青くなって時点であきらめて下さい。
この状態にクラス委員長さんは、ぼくに大丈夫かと聞くけど、ぼくの目が若干泳いでいるというか、死んだ魚のようになっているので、急遽休ませてもらった。
………お家に帰りたい…。ぐっすん。
文化祭一日目と二日目は、学園内の生徒だけなのだが、四ツ谷学園は中・高一貫の学園で、中等部のほうも同時期に文化祭ということもあり、この機会にお互いの校舎を行き来できるよになっていた。
と、言うことは、高校生ならまだしも中学生はまた成長途中な訳で、見方によってはまだまだ少女めいた子がたくさんいて、その子達が一斉にぼく等のクラスに押しかけて来た図に………ぼくは、ぼくは!!うん、泣いてもいいよねぇ〜!
もちろん、中等部の子のほかに高等部の可愛い子ももちろんいるけど、ここまで押しかけてくるのは、ぼくの予想を超えた光景であり…。
「委員長さん、このままいくとぼく、気絶する可能性あるけど…」
「いやいや、結城君ここは頑張ろうね。ほら、みんながワッフルを特別に作ってくれたよ〜」
妙にネコナデ声の委員長。思わずワッフルを受け取って、黙々食べているけど、空いて来たらぼくも表舞台に立たせるつもりのようだ。
一応、『女性恐怖症』も克服したいと思っているし、頑張ろうと思っているから出るけど、リハビリにならないような気がするよ…。
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