男前なんかじゃない!!2
055.魔の文化祭。
夏休みを開けると魔の行事がある。←学園のみんなには嬉しい行事。
そして、本性をさらけだしたぼくはと言うと…。
「委員長、お願い!!ぼく、ぼくぅ〜〜〜裏方にして下さい!」
2年1組の学級委員長さんのエプロンを掴み、半泣き状態ですがりついていたりします。←てか、本泣きに近い。
スイちゃんは、そんなぼくに苦笑いしつつ見守っていますが、それはスイちゃんだけではなく、クラスメイトの大半がぼくのそんな状態を苦笑いするように見つめています。
ぼく的には、見つめていないで助けて欲しい…。
「うっ!そんな男前の顔で泣かれても、うちの売り上げが掛っているし!しかも、結城君は、昨年休んだんだから、売り上げに貢献してもらわないと!!」
「そこをなんとか!!」
ぼくはエプロンの端を掴み、ウルウル攻撃をしかけてみるが、この攻撃はぼくが可愛い頃に使った攻撃であって、今更ながら男前になったぼくに可愛く映るのかなって疑問がある。
そんな訳で、委員長さんを見てみたら………なぜか委員長さんが視線を逸らしてプルプル震えていました。これって効いてないていうことだよね。
あっ、やっぱり、ダメか〜。
思わずシュンっとなり、スイちゃんにどうしよう?的な視線を向けると、スイちゃんが苦笑いしながらぼくと委員長の側に近づいてくる。
「委員長、結城の姿が可愛く映ったのは仕方のないこととあきらめて、正常に戻って下さい」
「あぁぁぁーーー!!葉山君、なんでどうしてなんだ!結城君だよ!結城君なのに可愛いと感じるなんてーーー!俺は、俺は彼女にどう顔向けすれば!!」
「落ち着いて、結城が素で可愛いのは幼き日々の鍛錬によるもので、委員長じゃなくても誰しも男前の結城が可愛いって思っていますから…」
スイちゃんのよくわからない言葉に、委員長さんは教室にいるクラスメイトの頷く姿を見て、なぜかホッとしています。
ぼくが可愛いの?………男前って言われているのに?
やっぱり、よくわからなくて首を傾げていると、いつの間にか隣に来ていたカイリくんがぼくの頭をコツンっと叩き、その顔がヤバイって口に手をあてています。
ヤバイって何が?てか、もう、ぼくは『クールキャラ』にならなくていいし、キリッとするのはどうかと思うんだけど…でも、ヤバイって言われるならちょっと気をつけることにしよう。←宗次郎は何に気をつけるかよくわかっていない。
そうしているうちにスイちゃんが委員長さんと話し合ってくれていて、ぼくの今期最大の問題が解決された。
『文化祭自由日には、裏方をしても良い』………この意味わかりますか?
文化祭自由日、それは悪魔の日…。←宗次郎的に。
だって、その日は学園外の人達が学園に来ることができて、もちろん、女の子も押しかけて来るんだよ〜!ぼく、ぼく、そんなことになったら死んじゃう〜〜〜。
多少は改善されつつある、ぼくの『女性恐怖症』。
今ではスイちゃんのお母さんはもとより、家の近所のおばちゃんとも普通に話せるほど改善されつつあるが、キャピキャピモードの女の子となると話は別だ。
情けない話であるが、マドカさんに喰われた後遺症か(※前作をお読み下さい)、いまだに若い子には近づけない、ぼく…。
自由日のことを考えるだけで、涙………いや、吐き気が…。
でも、今回委員長さんが生徒会から出る報酬に燃えているらしくて、ぼくの『女性恐怖症』よりも売り上げだって意気込んじゃって。
補足、『女性恐怖症』のことはクラスメイトに話したので、学園内ではかなり知られています。
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