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男前なんかじゃない!!2
052.振り返る。bR

 夏休みが明けると、すぐ文化祭がある。

 今回ばかりは、ぼくも出席せざるおえなくて、でも半泣きになりつつもクラスメイトのみんなに『女性恐怖所』であると話すと、なぜかみんなに頭を撫でられた。

 もちろん、生徒のほとんどはぼくより小さいのでしゃがむように強制してまで、ぼくの頭を撫でたがる。

 スイちゃんは、その様子を面白そうに眺めるだけだし、カイリくんなんかあからさまに肩を震わせて笑っていた。

 うーん、何となくぼくはクラスメイトからペット扱いされている気がする。

 でも、ぼくよりかわいい子たくさんいるのになんでだろう?



 漫画研究部の部長さんは、時よりぼくの元を訪れ、中身かわいい!外見男前!!そのギャップが萌え萌え〜って、叫んでいきます。

 あれ?そう言えば、転校前に兄ちゃんと姉ちゃんにもそんなこと言われたような…。

 うーーーん、ギャップが何やらわからないけど、それはあまりぼくが嫌われていない理由かな?



 偶然会った北瀬くん。

 廊下ですれ違いざま「ごめん」と、短く謝罪の言葉があった。

 何に謝っていたのかわからない…。でも、苦しそうにしている北瀬くんに言葉をかけた。

「ぼくは大丈夫!北瀬くんも頑張って!」

 ぼくも何に対して北瀬くんに頑張れって言っているかわからない………でも、その言葉を北瀬くんに送ることは間違いじゃない気がして…。

 北瀬くんはぼくに振り向き、泣き笑いのような表情をして頭を下げてから、また正面を向き歩き出す。

「頑張れ…」

 ぼくは北瀬くんの表情を見て、歩く背中に再度その言葉を送った。

 夏休み期間中生徒会は、死ぬほど忙しくなる…。

 それは去年生徒会を経験した卓磨先輩の言葉。

 本来なら、ぼくがそうなるはずで………今年の夏休みはとても長く熱くなりそうな予感がした。


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あきゅろす。
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