男前なんかじゃない!!2
045.ありえない展開。(Side.光輝)
ありえない、ありえない、ありえない!!こんなの絶対おかしい!!
翠はオレの恋人だって言っているのにーーー!!
あの集会があってから誰もオレの話しを信じてくれない。
いつもは、頭を撫でてオレの話しを信じてくれるのに、図書委員長も美化委員長もバスケ部の部長もバレー部の部長も………どいつもこいつも!!
それどころか、翠は諦めて自分と付き合えなんて!ありえない!!
オレは、翠だから好きなんだ!
きれいで優しくて………オレにいつも笑ってくれたらいいのに…。でも、翠は照れ屋でなかなかオレに本当の顔を見せてくれなくて…。
これも全部宗次郎が悪いんだ!!
それに一番頭にくるのは、須王だ!不良でいつも1人でいるからオレが、友達になったのに「諦めろ、お前に勝ち目はない」って!!
友達なら応援するのが普通だろ!!
さっき部屋にいた時、背を向けた須王に何発か蹴りつけてやったけど、ほんと頭にくる!!
宗次郎がいなくなれば………。宗次郎が会長じゃなくなれば、もしかしたら翠も本当の自分の気持ちに気付いて、オレと付き合ってくれるかな?
ズボンに入っているケータイを取り出し、母に電話する。
「あ、お母さん。あのさ、ここって三つ葉学園と同じ系列なんだよね。だったら、寮の鍵とかも同じかな…」
「うん………うん…。あぁ、やっぱり同じなんだ。お母さん、オレ実は生徒会に入る予定なんだ…それで、今すぐ生徒会が持っている鍵が必要で…」
「………うん、たしか、寮内は全てその鍵で開けられるんだよね?………そう、その鍵が欲しいだ…」
しばらく母と話をしていたら気分は上昇!鍵はカードキーなのですぐには発行できないけど、三ツ谷学園理事長であるお爺ちゃんに内緒で作ってくれることになった。
本当は直接、四ツ谷学園の叔父さんに頼みたいけど………叔父さんにどうしてか嫌われてい気がする………いや、きっとあんまり会いに行かないからすねているだけだよな。
今度、いきなり会いに行ってやろう!!
オレはルンルン気分で、寮の部屋に戻る。
部屋に入ったらなぜか須王が倒れていたけど………どこかにぶつけて倒れたるだけだろうと思ってそのまま個室に入る。
あとで須王がオレに謝って来たら、許してやらなきゃな!
オレ達親友だし、オレは心が広いから須王がちょっとくらいいじわるしても許してあげなきゃな!
よし!これからスイを助けるためにオレは頑張るぞ!
ケータイを握りしめ、早くカードキーが来ることを願っていた。
宗次郎の弱みをどうしたも掴みたかった。
………それがどんなことになっても、オレはかまわない。翠が手に入るなら!
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