男前なんかじゃない!!2
040.功労者。bP(Side.風紀委員達)
生徒会からの突然の緊急全校集会は、これで2回目………。前回のことがあるだけに風紀委員のメンバーはげんなりしていた。
が、ここで風紀委員長兼ダーク総長、蘇真弓がもたらした情報によりそれも一変する。
「ダークに殴り込みをかけたのは、アノ枯葉頭だ………と、言っても殴り込みは今回保留だ」
弓の言葉にビシュッ!と床に何かが当たる音がなる。
「それはどういうことだ、弓。返答によってはお前を総長座から引きずり落とすぞ!」
いつもの平凡顔はどこへやら………いつの間にか握られている竹刀を床に叩きつける風紀委員副委員長、池田良人。
良人の行動に他の風紀委員…この場合ダークの一員も青い顔をしたまま頷く。
「理由は学園内でオレ達が暴れると枯葉頭が尚暴れて、生徒や物に二次被害が予想されるからだ。…と、言ってもオレも殴り込みをかけようとして、二条にこれを言われて、止められたんだけどな」
その言葉に風紀委員の面々は苦い顔をするものの、一応、族(ダーク)に所属しているとはいえ、学園内では風紀委員としていることを自覚しているので、手をグッと握りしめ堪える。
良人などあからさまに怒りを露わし、竹刀を両手でギリギリ左右に握り今にもへし折りそうな雰囲気だ。
「そのうっぷん晴らしの方法も二条は考えてくれたぞ」
弓のこの発言に皆視線を鋭くするが、その方法を聞いた瞬間、風紀委員達は、いつもより凶悪に微笑んでいたことを誰も知ることはない。
緊急全校集会場である講堂に枯葉頭をエスコート…もちろん、風紀委員全員で…。
左右にはダークの幹部、前には副総長である良人、うしろには弓。周りには他の風紀も控えていて異様な空間になっているが、そんなことを気にすることもなく闊歩していく。
枯葉頭を捕獲する際、数名の枯葉頭の派閥者(取り巻き)に邪魔されそうになったが、そこは所詮喧嘩慣れしているダーク…もとい風紀委員。あっさり殴りつけ…いや、丁寧に避け事なきを得た。
取り巻きの中で一匹オオカミだと言われていた、不良の北瀬須王。
これが一番やっかいだと思っていたが、北瀬はやけにあっさり風紀委員に枯葉頭を引き渡していたような?
入学当時から目を付けていた北瀬の行動に風紀の面々は、少し期待外れで。
いずれ、ダークにっと思っていた奴も北瀬の行動にあからさまにがっくりしているようだ。
そんな北瀬の対応に反発したのは、他の取り巻き…だが、それより、捕獲してからの枯葉頭の暴れっぷりを見ていたら、北瀬、その他の連中も忘れる状況になる。
左右に手を引かれているので、枯葉頭は、足で風紀委員を蹴り上げる。
それに対応するために数名で足を押させつけようとするが、そうするとこんな小さな身体のどこに力があるのだというくらい腕を外そうと暴れる。
弓が頭を鷲掴みにし、「大人しくしねーと、頭へし折るぞ!」と、睨みを利かし言うが、あとは叫びとも言えぬ馬鹿げた返答を枯葉頭はするばかり…。
「離せよ、お前等!!お前等全員、爺ちゃん…いや、叔父さんに言って退学にさせるかな!」
と、まぁ、そんなことことを喚き続けていて、風紀委員はげんなりしつつも捕獲し続けている。
が、ここで正面を向いてあるいていたはずの良人が振り向き。
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