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男前なんかじゃない!!2
037.緊急全校集会、再び。

 講堂に生徒が溢れている。

 その全ての人が、ぼくに嫌悪の目を向けている気がする。もしくは、振られ男を同情するような憐れむ視線。

 振られてないもん!って、素で泣きながら訴えたいが、ここでは『クールキャラ』の生徒会会長を演じている訳で…グッと堪えて、平然と生徒達の視線を受け流しています。



 生徒達が講堂の席に座る中、やはりっというか当然というか転校生くんもいる………て、あれ?

 ぼくが素で驚くように目を向けると、そこには風紀委員数名に捕獲された猿…もとい、転校生くんがいました。

 まさに捕獲と言っていいような感じで、騒ぐ転校生をぐるっと囲む風紀委員の皆様。

 右手、左手に一人ずつ、前面も数名いて、背後には般若を思わせるようにガシッと頭を押さえつけている風紀委員長である真弓先輩。

 あっ!今、1人の風紀委員がさりげなく転校生くんに蹴りを入れたような………見なかったことにしよう!



「カイリくん、何か風紀委員の皆様から負のオーラを感じて怖いんだけど、どうしたんだろう?」

 風紀委員のメンバーは皆さん不良顔なんだけど、今日はそれプラス負のオーラを感じるらせいか怖さ倍増!

 ぼくは、ガタブル震えそうになるのをグッと堪え、隣にいるカイリくんに小声で質問してみる。

 そうすると、カイリくんは珍しくプッと笑いを堪え、で、その隣にいる卓磨先輩まで肩を震わせて笑っているんだよね。

 うっちゃんとさっくんは、その2人の様子に小突くようにし、「「風キもかなりキレているからね〜☆★」」と、何とも不思議な回答をぼくにくれた。

 確かに風紀委員は、転校生くんに手を焼いているけど、う〜ん、いまだに睨みを利かせている真弓先輩の表情を見るとそれだけじゃないように感じる。



 そうしているうちに、スイちゃんのきれいな声が講堂内に響き渡る。

「静かにして下さい。これより、生徒会から緊急のお知らせがあります」

 スイちゃんの言葉に皆耳を傾けるが、それはぼく等生徒会役員も同じで…。

 だって、この緊急全校集会を提案したのはスイちゃんだし…スイちゃん、ぼくにまで集会の内容話してくれないんだよ!

 ぼくって信用されてないとか?………いやいや、さっきスイちゃんからこの集会でぼくが一番の役どころだって言っていたし!うん、ぼく、頑張るぞ!!



 こうしている間にもスイちゃんが生徒達に話しかけています。

「―――日々、噂が絶えず校内が乱れていますが、ここで副会長である私、葉山翠と会長である結城宗次郎から皆様に真相を明らかにする話をしたいと思います」

「「「はぁ?」」」

「「「「「え゛?」」」」」

「みど!!―――ヌガフガ」

 スイちゃんの言葉に上記から生徒会役員(ぼく含む)と次には生徒達から何事だ?と驚きが上がる。

 最後に誰か叫んでいた気がするが、今は風紀に口を塞がれているので無視しておこう。


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あきゅろす。
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