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男前なんかじゃない!!2
027.学園の空気。

 こうしている間に、学園の空気は悪く。しかも、ぼく等生徒会役員&風紀委員は疲労の色が濃くなってきている。

 転校生くんが起こす被害は、親衛隊が起こす制裁の仕返しとか…。

 制裁と言っても四ツ谷学園の親衛隊は大人しいはずだったのだが、それはもう忘却の彼方に追いやられ、どこの女子高のいじめだよ〜!!て、叫びたくなるような制裁を起こすようになった。

 でも、不良は若干いるものの暴力に慣れていない親衛隊。なぜか、呼び出ししただけでも転校生くんが大いに騒ぎ暴れ、逆に親衛隊が怪我をするハメになっている。

 それを知った各委員長達&運動部部長達まで報復………重症者はなんとか出していないものの、ぼく等生徒会役員と風紀委員は処理にあたり大忙し…。



 あと、転校生くんが起こす授業妨害とかもあったり…。

 先生が転校生くんに問題出しただけで、転校生くんは「いじめだ!!」とか「俺だけなんでそんなに難しい問題だんだよ!!友達だろ!簡単なのにしろよ!!」………こんなの今どきの小学生でも言わないよね…。

 先生達のことも名前を呼び捨てで、名前呼びすると友達と認識している転校生くんは、この頃職員室でも転校生くん独自の考えを披露し、先生達を疲労困憊の渦に巻き込んでいるそうだ。

 あとは………もう、泣きたくなるから説明いらないよね…。



 こんな転校生くん、どこに惚れる要素があるんだろう?

 真弓先輩の曰く、転校生くん派閥の人達は、閉鎖された空間で出会った異端児である転校生くんが、名のとおり光輝(ひかりかがや)く存在に感じるんだろうっと言う。

 転校生くんが、引き起こす様々な非常識な行動も恋心のフィルターをとおすと「可愛い」とか「そんな我が儘なところもまた…」なんて、ことになるらしい。

 弟のように思っている皆さんのほとんどは、本当に兄弟がいる人で、会えない反動から兄弟の代わりに可愛がっているにすぎないと真弓先輩は教えてくれたけど…。

 ここは一応、お坊ちゃま学校で上品な生徒が多くいるところだし………普通の兄弟なら転校生くんみたいな感じじゃないと思うんだけどなー。



 ぼくだってスイちゃんが好きな理由はたくさんある。人が知ったら「えっ?そんなとこ?」とか思われるかも知れない。

 それでいくと、転校生くんを好きになる人はそれぞれ理由があり、守りたい存在なんだろう。

 ぼくがまったりそんなことを考えて頬杖ついてぼーっとしていたら、突然の声を掛けられた。

「会長、暇そうですね…。俺達がこれほど頑張っているのですけど………なんなら、風紀と一緒に『枯葉頭』の見張りに行ってきます?」

 疲労の色を濃くし3倍増しに不機嫌を露わにした卓磨先輩が、自身の書類をぼくの机に置きながら恐怖の言葉をぼくに言う!!

 いやぁ〜〜〜!!ぼくは大慌てで謝罪し、卓磨先輩が作成した書類に高速で目を通す。

 ………ここは生徒会室、只今、修羅場中なのを忘れていました。


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あきゅろす。
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