男前なんかじゃない!!2
022.変わる学園。
ここでフッと強い視線を感じた。
くるりっと周りを見回すと、生徒達がコソコソぼくを遠目に見て話している。
その中に、ひと際鋭い視線を投げかけている者もいて………て、確かあの人ってスイちゃんの親衛隊の人だよね。
いつもは、ぼくにもニコニコしているのに何でぼく睨まれているの?
ここで首を傾げる訳にいかず、しかし、理由を知りたいぼくはスイちゃんの親衛隊に近づく。
近づくたび、悪意とか嫌悪とかそんな視線がヒシヒシ伝わる。
怖い………ぼくが休んでいるうちに何があったの?
知りたい…それだけで、ぼくはスイちゃんの親衛隊に話しかける。
「おれに向けるその視線の意味を教えてくれるか?」
ぼくは何とか『クールキャラ』を維持させた言葉を発するが、親衛隊員は目を細め睨みながら憎しみの言葉を発する。
「葉山様を強姦しておいて、よくも堂々と会長職に居座ってるもんだな!!」
「えっ?」
思わず、素で驚くと、どこからともなく、スイちゃんの親衛隊長であるトモくんが勢いよく駆け込んできて、ぼくの前にいる親衛隊の腕を引き自身のうしろに遠ざける。
「すません!!葉山様の言葉は本当だと信じていますが、中には彼のようなものがいて………ごめんなさい!!」
トモくんは90度身体を曲げぼくに謝罪するけど、意味が分からない。
トモくんが一生懸命ぼくに「ボクは、信じていますから!!葉山様は貴方のことがとても好きで、恋人になっているんだと!」と、自分を諭すように話している。
何が起こっているの?『強姦』………それってどういうこと?
周りの生徒のざわめきに耳を傾けると、それまで聞こえていなかった色々なことがぼくの耳に入ってくる。
「生徒会長とあろうものが、『葉山を無理やり』なんてな…」
「何でも、昨年の体育祭の生徒会選挙の時から、強姦して強要させていたとか…」
「無理やり強姦したあげく、恋人にしたってさぁー」
「かわいそー、葉山クン〜。それで無理やりネコやらされているんだよね」
「時たまだるい表情を浮かべているのは、きっと無理やりヤられているからなんだよ!」
「いくら、結城様でもそれは許せないよね!!」
ど、どうなっているの?さすがにぼくはキャラを維持させることができず、顔を青くしていると、息をいらしたカイリくんに強引に腕を取られ連れ出された。
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