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男前なんかじゃない!!2
021.隠し事。

 スイちゃんに攻められて(※016話)、一日だけ学園を休むことになったが、次の日ぼくはいつもどおりに起き、学園に行く準備をはじめるのだけど…。

「結城………あの…、あと一日でいいんですけど、今日も休む訳には行きませんか?」

「???どうしたの、スイちゃん。腰だったら昨日の夜には治っていたし…それに、今日も学園を休むと生徒会の仕事が大変なことになるよ」

 明るくそう言う僕に、なぜか眉を寄せ考えこんでいるスイちゃん。



 ほんと、何か昨日から変なんだよね…。

 学園から戻って来るなり、「明日もう一日休んでくれませんか?」って、真剣な顔で言うし、食堂に行こうとすると今日は部屋で食べようってコンビニ弁当ですますし…。←スイちゃんが買って来てくれた。

 学園のコンビニ弁当は、本当に「コンビニ弁当?」って言ってもいいのってくらい豪華で満足だけど、いつも僕が食事を作らない時は、食堂に行っていたはずなのに………もしかして…。

「スイちゃん、学園で何かあったの?」

 ぼくの言葉にビクッとスイちゃんの肩が揺れる。



「もしかして、また、ぼくに隠し事があるとか?………また、ぼくをのけ者にして隠し事しているなんてこと―――」

 泣きそうになるスイちゃんの顔を見て………ぼくは最後まで言葉を発することができなかった。

 これで、スイちゃんが………いや、きっと生徒会役員も風紀委員もぼくに隠しごとをしていることが確信できて…。

 ぼくは、スイちゃんが止めようとする腕を振り切って、学園に向かう。

 最悪な事態になっていることをぼくだけが知らずにいた。



 トボトボ歩くぼくは、先ほどとったスイちゃんの行動にため息がでる。

「ふぅーーー。分かってはいるんだけどね…」

 幸いぼくの廻りには人がいなくて、ぼくのこんな『クールキャラ』崩れの言葉を拾われることはなかった。



 昨年、クリスマスパーティー事件の犯人が、事前に轟先輩であることをぼく以外の人には知らされていた。

 それは、ぼくが頼りないばかりではなく、ぼくを思ってしてくれているのは理解しているのだけど、ぼくはこの四ツ谷学園高等部の会長であり、自覚もその時に持っていた訳で…。

 何を言われても動揺しない………なんて、言い切れないけど、少しはぼくに話してくれてもいいはずじゃないか。

 とっぷり落ち込む中、今回は、どんなことを隠しているんだろ?と、不安に思いながらただ黙々と学園に向けて歩く。


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