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男前なんかじゃない!!2
015.変。

 なんて思っていると。

「な、何だよ!!そんなの変だろ!!オマエも男だけど翠も男だろ!!」

 はて?ここは男子校だし、それに同性愛は多いということを理事長に聞かなかったのかな?

 これには、さすがに派閥の人達もビックリしていて、いや、周りにいる生徒達もビックリしている。

 それからは、転校生くんは「男同士でおかしい!!」とか、「翠は嫌がっているのに、オマエが無理やり恋人になったんだろ!!」とか、風紀委員数人で取り押さえるまで、散々ぼくを詰っていた。

 これで食堂の生徒達は、ほぼ完全に転校生くんに敵意をもっただろう。

 そういうぼくも………。

「結城、仲谷君が言ったことを気にすることありません。私は結城のことを心から愛しています」

「「そうだよ、ソウちゃん。ソウちゃんに無理やりなら、副会チョーのほうだしね☆★」」

「気にするな、宗次郎」

 上からスイちゃん、うっちゃんとさっくん、カイリくんがぼくを慰める言葉をいい、珍しく同情するように卓磨先輩まで、ぼくの肩を叩き慰めてくれる。



 うん、気にしない………男同志でもぼくとスイちゃんは恋人だし、ほんとにほんとにスイちゃんのこと好きだし………。

 ぼくがスイちゃんを好きでも変なことじゃないよね?

 気にしないと言いつつも、落ち込み気味なぼくは、その後の生徒会の仕事はミスしがち………それでも、いつもは嫌味の一つもでるはずの卓磨先輩までぼく気を使ってくれた。

 こめん、明日は頑張るから………心の中で頭を下げる。

 情けないなー。転校生くんの言葉に揺れるなんて…。



 夕食後、自室に戻りため息をついていると、スイちゃんが遊びに来てくれた。

 遊びに………て、言ってもほぼ毎日どちらかの部屋で寝泊まりしているので、遊びとは言えないけど、スイちゃんと一緒だと何もなくてもホッとするから、ついついソファーでくつろいでいるスイちゃんに甘えてしまう。

「結城、まださっきのこと気にしているのですか?」

「気に………て、言うか、うーーーん、ぼくスイちゃんが好きで、それは人から見れば少し『変』と言われるものだと理解していたけど、それでも、この頃、ぼくの家族とかスイちゃんの両親にも認められていたから、転校生くんに改めて『変』って、言われて…」

「『変』でも、いいんじゃないでしょうか?」

「えっ?」

「『変』でも、私は結城のことを愛していますし、離すつもりはありません。まして人に『変』と言われても…」

「スイちゃん?」

 言葉を途切れさせるスイちゃんの顔を見ると、穏やかに笑っていて、そのまま僕の顔に近づいてくる。

 目を閉じると、スイちゃんの唇がぼくの唇に降りる。最初は触れるだけ…そして回数を重ねると舌を絡ませるほど濃厚なキスをする。

 クチャクチャ。

 この音を聞くといたたまれなくなると言うか、照れるというか、顔が熱くなる。

 そして、ぼく達は………。


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あきゅろす。
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