男前なんかじゃない!!2
『男前』の組分け。bT(Side.折原)
間抜けな僕の声が響いて、約数秒…。
きれいな、それは、ものすごくきれいな笑みを浮かべた、那須屋先生が僕の前にいた。い、いつの間に…。
「折原センセイ、土嶺センセイがこうおっしゃっているけど、ホント?」
僕の顎に指を掛けながら質問しているが、そこには無言の圧力が発生している。そう、例えるなら、「はい」っと言った瞬間に滅せられそうな気配が!!
全速力で高速に首を横に振らせてもらいます!!
首がカクカクする中、今度は背後から迫る黒い影が!?
「折原ぁ〜、俺とお前の仲だろ?」
どんな仲だーーー!!っと、心の中だけで絶叫し(←本人に言えないので)、無難に愛想笑いを浮かべ。
「つ、土嶺先輩、僕等の仲ってもしかして、『下僕』とか『パシリ』とか?」
うしろを見ないようにし、直立不動で答えてみる、僕。
うしろからも圧力が掛っている。どうして、こんな事態になっているのか、誰か説明して下さい!!
「高校時代、全裸でナニする寸前だった仲だろ?あと、大学時代にもナニまであと数センチって、こともあったよな?」
「ぎゃーーー!!何て、ことを思い出すんですかーーー!!僕が一生懸命、あの時の記憶をドラム缶に詰めてコンクリで固めて、海に流したのにぃーーー!!」
あれは、僕の汚点!!人生はじまって以来の危機+羞恥の時であり、それにはおまけの出来事も付属していて…。
「高校の時全裸で縛られた僕が、学校中走り回り(逃げ回り)、そのことが原因で、退学寸前まで追い込まれたのは誰のせいだと思っているんですか!!大学時代のアレを土嶺先輩が大学中に吹聴したせいで、人生初の彼女に『ホモ』のレッテル貼られて振れられるし………」
あぁ…哀しき人生。土嶺先輩と出会ってから、可愛い女の子は根こそぎ、僕の存在を消し去り、惚れるのは土嶺先輩ばかり…。
友人知人は、土嶺先輩の妙な圧力から、僕の側を離れてゆく…。
………メソメソ。ヤバイ、本格的に泣けて来た。
「…なるほど、話しは大体わかりましたが………ですが、やはり、折原センセイの泣き顔はそそるものがありますね」
「なっ!この顔がグッとくるせいで、最後まで手を出すのを止めて、鑑賞しちまんだよなー」
「………」
那須屋先生と土嶺先輩が妙なことを言っている気がする…と、同時に何やら、平凡アンテナが『今すぐ、ここから逃げろ!!』と、発している気がする。
と、とりあえず、逃げ道確保で現状をよく見て、聞いて、考えて!!
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