男前なんかじゃない!!2
『男前』の組分け。bQ(Side.折原)
10月、学園に慣れてきて、最大のイベントが開始される。
『体育祭』だ。
この学園の体育祭は、ちょっと変わっていて、優勝したチームの団長が生徒会会長に、副団長が生徒会副会長となる。
聞いたところによると、ずっと前の理事長さんが「体育祭をひっぱる者は、生徒のトップ立つのがふさわしい」とか、何とか。
たぶん、この理事長さんは、体育会系の人に違いない。
そんな訳で、全生徒参加の体育祭の組分けを生徒に任せることはできず、全教師がその作業を行うことになっていた。
ちなみに、教師達に不正があっても困るので、この作業に入る前に『誓約書』を書かされました。
【私は不正をした場合、下記の内容の罰則を直ちに開始します】
下記に書かれたあった罰則………あまりのえげつないモノばかりで、ここでは記さないようにするけど、数年前に書かれていた罰則を更に厳しくしたのが、ここを紹介してくれた先輩だなんて…。
土嶺(つちみね)先輩、高・大学時代から思っていましたが、鬼畜具合が前よりも数段グレードアップしていますね。
補足…この罰則、どうやら実施されたこともあるようです。校庭をフンドシ一丁で50週って…。土嶺先輩、鬼ですか!?
土嶺先輩とは仲良く(?)なっているけど、なぜか先輩以外の人とも仲良くなれました。
保健医の那須屋(なすや)先生。
きっかけは、僕のうっかりさんで…要するに、ドジッ子のようなコントを生徒の前で披露し怪我をしてしまって…。
その時にお世話になったら、なぜか気に入られました。
土嶺先輩と那須屋先生…雰囲気は違うけど、なぜか僕の凡人アンテナが彼等を同類と分類してしまう。
土嶺先輩は男前で、この学園の生徒の結城君より大人の魅力がある人物。
一方、那須屋先生は知的眼鏡でエレガントに微笑んでいて、保健室ではいつも長蛇の列が並ぶくらいだけど…。
………うん、絶対、この2人の前で油断すれば、僕の身が危ないような気がする!!
そう思っているけど………今、現在も僕はドジッ子で。
「折原、ボケッとするな!!3−3の生徒達のアンケートを読み上げろ!!」
「ひゃい!!」
「クスクスクスクスッ、『ひゃい』だって。相変わらず可愛いね、折原センセイ」
眼鏡の弦を持ち上げ、妖艶に笑う那須屋先生になぜか、背筋がゾクリっとしてしまう。
目線を逸らせず、曖昧に笑って見せたら、なぜか土嶺先輩に叩かれた。
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