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男前なんかじゃない!!2
おまけ2★謝罪。bP(Side.光輝)

 ※このお話は、生徒会補佐に光輝が選ばれた以降の出来事です。



 色々な人に謝りに行く。

 そのたび、驚かれ、そして、許される。

 四ツ谷学園のみんなが優しい。

 それは、宗次郎…じゃなくて、結城先輩が生徒会長だからかな?って最近思う。

 謝ることは、慣れていない…。



 物心ついた頃には、お父さんは家にいなかった。

 お父さんはいつも海外を飛び回り仕事をしていた。

 だから、たまにやって来る男が、お父さんだと認識できたのは、かなり経ってからだと思う。

 お母さんはいつもお父さんが仕事に行く時、泣いていた…。だから、おれが立派になってお母さんを助けるんだって!

 勉強もして、強くなって、お母さんに愛されて…。でも、そうしているうちに、少しずつお母さんが言い始めた。

「光輝は、私の自慢よ!光輝のすることは全部正しい!これからも、光輝のしたいようにして、私の側にずっといてね!」

 おれは、この言葉に頷いた。

 強くなる簡単な道は、喧嘩が強くなること…。中学1年から夜中に出歩くようになる。

 勉強は…あまりできなかったけど、普通程度の成績を維持した。

 そして、おれの容姿をみんな持て囃していくうちに…有頂天になった。



 おれの笑顔でみんなが笑う。もちろん、お母さんも!

 おれがすることは、みんな実行してくれる。もちろん、お母さんも!



 そうしているうちに、少しずつ自分勝手なおれができた。

 否定されると、すぐにお母さんを頼る。時には、お爺ちゃんにも…。

 そして、日々自分勝手に過ごしたおれは、三ツ谷学園から追い出された。



 四ツ谷学園でもおれは自分勝手に過ごした。

 初めはそれで良かったけど、夏休みを過ぎると少しずつみんな離れていって、イライラが募る。

 それに大好きなお母さんに似た葉山先輩にまで嫌われていて………どうして、いいかわからなかった。

 そんな日々も体育祭で勝利すれば終わり…と、思っていた最中。

 ビッターーーン!!

 結城先輩のビンタで、突然目が覚めた。



 それからは、早かった。

 『ごめんなさい』は、言い慣れないなんて、嘘のように口から出る。

 これは気軽に言っているんじゃない…。少しずつではあるけど目覚める後悔…。

 何をして悪かったか。何をして人を傷つけたのか。

 ゆっくり、少しずつ…理解して、自然と頭を下げ謝罪できる自分がいた。



 生徒会補佐なんて、初めはできないと思ったけど、「まずは、謝罪からっね」と、葉山先輩に言われ、その通りだと思った。

 思い出せる限りの人に頭を下げに行った。

 もちろん、快くおれの謝罪を受け取ってくれた人ばかりではないけど、そのたび、そのフォローを結城先輩や葉山先輩…生徒会役員のみんながしてくれた。



「なんで、おれなんかのために!!」

 泣きながら聞いた。

 そしたら、結城先輩は「会長だから当たり前!」っと、デコピンされ、葉山先輩からは、「もう、生徒会の仲間だからね」と微笑まれ、石井くん(新書記)からは、「頑張ろうね!」と応援された。

 そして、同じ生徒会補佐である、須王からは…。

「初めてまともにできた友達を、そうそうに見捨てられない」

 そう、いつもの強面に眼鏡をした状態の顔で答えてくれて………。



 嬉しかった…。こんなに嬉しいと思ったことはない。


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