男前なんかじゃない!!2
おまけ1☆けじめ。bP(Side.弓)
※このお話は、本編終了後の出来事です。
「お前が下街で犯した罪は、わかっているな」
クリスマスが終わり、冬休みに突入した風紀室に乾いた声が響く。
「…うっ、はい。どこかの族を闇討ちして…。この前、詳しく須王から聞きいて…それが、『ダーク』って、言う、ゆ…じゃくて、蘇真先輩の族のところだって…」
俺の言葉に顔色は悪いが素直に返答をする仲谷。
風紀室内には数名のダークに所属する…と、いうか風紀委員全員がダークのメンバーの中、仲谷は怯えながらもその場にとどまっている。
「言い訳は?」
「ない!…ありません。あの時、み、葉山先輩に「好きではない」って言われて、怖くて、族ならいいかなってだけで、あんなことしちゃって…じゃなくて、してしまって…」
使いきれてない敬語を何とか話し、最後に仲谷はすみませんでしたと、床に正座し土下座する。
それは、俺だけではなく周りにいたメンバー1人1人、全員にだ。
しかし、ここにはあの時、怪我をしたメンバーは、誰一人いない。
あの頃の風紀は、それこそこの目の前にいる仲谷がしでかしたことの後始末のため、奔走中で学園を抜け出してまで、仲間(族)のところに行くことはできなかったのだから。
仲谷は土下座したまま顔を上げない。身体が震えているのがさっきよりわかる。
怖いのだろう…。
風紀委員の視線を全て受け、それでも、逃げずにいることは褒めたい。が、それはそれこれはこれだ。
「良人、風紀を引退した俺達が、ずっとこのままこの場にいるのはマズイ…。で、お前達の意見を聞きたい」
仲谷にとっては、判決を待つ気分だろう、一瞬、大きく肩が震える。
「僕は半殺し!って、言いたいところだけど、色々事情を聴いたし………何より、結城会長直々に温情をって言われちゃったから、ここにいるメンバーはとりあえず、今後の君次第ということで、けじめは保留とするよ」
良人がそう言い切ると、他のメンバーも苦笑いしつつ、頷いている。
「結城先輩………」
土下座姿勢のまま、ポロポロ涙を流している仲谷。
一応、ここにいるメンバーはいいとして、それでも、俺は総長なんてやっているからけじめだけはつけないとな。
「仲谷、それでもけじめは必要だ。ここにいるメンバーが許しても、街にいるメンバーの意見は違う。今日はこれから、学園を抜け出して街に降りるぞ!良人、街にいるメンバーをたまり場に集めて置け!!」
「了解!で、僕達は?」
「はぁ?良人は勉強だろ?で、その他メンバーも赤点続出…テメー等は、各自部屋に戻って勉強でもしてろ!3学期にまた赤点でもとりやがったら………どうなるか、わかんでんだめーなぁー?(※最後は上がりめで話しています)」
俺の言葉に首をブンブン振っているメンバー。
良人だけは、「試験…試験が…」って、何やらブツブツ言っているが、たぶん少し受験ノイローゼ気味なのだろう。
俺が寮に帰って来たら、勉強でも教えてやるか…。
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