男前なんかじゃない!!2
008.役立たずなぼく。
スイちゃんの話しを聞いて、かける言葉はこれしかなくて…。
「「「ご苦労様………」」」
みんなで一斉にスイちゃんにいたわりの言葉をかける。
そうすると、スイちゃんは苦笑いのように少し微笑み、今後の対策のため風紀委員長である真弓先輩と相談し始める。
うーーーん、ぼくも一緒に転入生くん対策を考えたほうがいいのかな?
何てこと思っていると、カイリ君がぼくの頬をプニッと突っついで、「宗次郎は、生徒会の仕事だけしていろ」だって…。
ぼくのこと相当役立たずだと思っているのかな?………よし、さっそく今夜にでも姉ちゃんに相談しよう!
兄ちゃんの話しだと、ぼくがこの学園に来てから姉ちゃんは、前以上に男子校のことを色々勉強しているらしく、このテ(BL学園)の話しには詳しくなっているらしい。
ぼくは感激のあまり冬休みに姉ちゃんに「ありがとう!!」と抱きついだら、「私のほうこそ、萌えをありがとう!!」て、なぜか感謝された。
兄ちゃん曰く、ぼくの恋人が男で、且つスイちゃんだったため、姉ちゃんの何かを刺激して喜ばせたことが原因だったみたい。
どういう意味だかよくわからないけど、春休み姉ちゃんにスイちゃんを紹介するため会せたら、感激しすぎて本泣きしていました。
だんだん姉ちゃんが壊れていっている気が………姉ちゃんの彼氏さん、こんな姉ちゃんでも見捨てないでね。
その夜………もちろん、姉ちゃんに電話です♪
♪♪♪♪♪
「もしもし、姉ちゃん、今日は相談があるんだけど―――」
ぼくは、今日スイちゃんが経験した様々なことをなるべく他人目線で、あまり批判しないように話したつもりなんだけど…姉ちゃんには、そうは聞こえなかったみたいで…。
[まさに『王道ちゃん』だわ!!しかも、ソウちゃんの婿に対して何てことをしでかしているの!?]
それから、姉ちゃんはブツブツ怒声を交えて色々なことを言っていて、ぼくが突っ込めない状態に突入した。
「あのね、姉ちゃん。『男子校に来た転校生』って、ジャンルでぼくに色々教えてくれたよね。ぼくは『それに当てはまらない行動するように』って言われたけど、今回、そう言う転入生と接触したら、どう回避すればいいの?」
怒りMAXの姉ちゃんに恐る恐るお伺いをすると、姉からはあっさり、「回避不能」の4文字。
何でも、姉ちゃんの話しを聞くと、今日来た転入生君は、まさに『王道ちゃん』(←姉的表現)で、茶色のモフモフの頭も分厚い眼鏡も変装で素は美形、理事長の甥、夜は族に所属し、空気読めないKYくん、自身が愛されて当然………えっと、あとは、美形ホイホイ?なんだって。
今のところ外見はそうでも、変装かどうかはぼくには判断できない。でも、理事長の甥は正解で………あとは、うーーーん、よくわかんない。
「それで、どうしてスイちゃんは『回避不能』なの?」
[いい、宗ちゃん。王道ちゃんは、美形や人気者は自分のモノと思う傾向があるの!だから、スイちゃんは自分の新派だと認識しているわ。それに、スイちゃんが嫌がれば嫌がるだけ、付きまとうのが王道ちゃんの鉄則だから、今のところ回避不能よ!!]
「えぇぇぇーーー!!そんなの嫌だよーーー!!スイちゃんは、ぼ、ぼくのなのに…」
[きゃ〜〜〜〜〜!!宗ちゃん、萌えるわぁ〜!!]
ぼくがテレながら言った台詞になぜか姉がキャピキャピ喜んでいて………その後、いつの間にかスイちゃん談義になって………『回避不能を、どう回避すればいいのか?』という難問題を姉に相談するのを忘れてしまった。
ぼくってやっぱり役立たずだ………。がっくし。
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