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男前なんかじゃない!!2
095.風紀室への訪問者。bQ(Side.弓)

 友達になってみればわがまま過ぎる態度…。挙句の果てにはなりたくもない生徒会副会長にされ、そのせいでバスケ部でレギュラー落ちし、更にはクラスのみんなに嫌われている………等々、いくつも仲谷に不満をぶつけたようだ。



 一部、自分のせいでもあると思うのは、俺だけだろうか?

 奥村聡自身の責任も十分あるだろ!と、突っ込みたいが、きっと不満だらけで色々ぶちまけてしまった結果が、これなのだろう。

 きっと、奥村聡はあとで、自分の発言に押しつぶされることになりそうだが、それはきっと仲谷と一緒に乗り越えればいいことであって…今の問題は、それを俺にどうしろというんだっということだ。



「風紀からは退学させるよう何度か指示は出していた」

 この言葉に仲谷の肩がビクッと震える。

「それでも、踏みとどまられていたのは、ソウの一言だ」

「えっ?」

「ソウ自身、1年前に問題を抱えて転校して来た経緯があったから、お前もそうだと主張して、どんなにお前に嫌がらせされても、あいつは『もう少ししたら、落ち着くかも知れないから』て、きかなかったんだ」

 そうしているうちに、ソウは会長職を追われることになったけど、それでもきっとソウはこんなことされても、最後まで仲谷を見捨てなかったような気がする。

「お前はソウがいるから、まだ、ここで考えることができる。これからのことを…」

「これから?」

「時間が掛ってもいい、今度は人の言葉ではなく自分で考えてみろ」

 母や友人に聞くのもいいだろう…。しかし、それでは根本的な解決策にはならない。

 自分で考えて考えて………それでも、苦しい答えしかでなくても、きっと自分がたどり着いた答えなら納得でしきるし、乗り越えることもできる。

 ふっと、こんなことを考えてみるとこれは、ソウが考えそうなことだなっと、苦笑いしてみる。

 俺もだいぶソウに影響を受けているようだ。



 仲谷は風紀室を出る際、小さい声で俺に宣言してきた。もちろん、それは…。

「か、考えてみる………これからのことと、今まで自分がしてきたのを1人で…」

 そうかっと、いうように俺が頷くと。

「考えるのは苦手だけど、でも、頑張ってみる!」

 力強く話す姿がソウと重なる部分があり、思わずソウと同じように強めに頭を撫でてやると、泣き笑いのように俺に頭を下げた。

 初めて頭を下げられてビックリするものの、言うことが1つあることに気付く…。



「あぁ、そうだ。仲谷、俺のチームのヤキ入れた件もちゃんと考えてこいよ!返答次第では、俺をはじめチーム全員がお前をボコる予定だから、答えは慎重になー」

 この言葉に仲谷は顔を青ざめていたけど、これにもちゃんと頷く。



 頑張れ、仲谷!………こんなことを俺が思うのはおかしいが、何となく1年前のソウと重なる部分があって…。

「さってっと〜、仲谷の答えを貰うまで、何とかチームの奴等を大人しくさせなくちゃな」

 良人は、体育祭で仲谷が惨敗したと知った瞬間から、制裁を行う準備を進めていた。

 この頃、仲谷は外(学園外)に出歩くことなく、それでは中(学園内)にいるものだけで制裁をって、感じになっていたのは、俺も知っていたので、これを止めるのは一苦労するかも知れない。

 それでも、いままさに成長?しようとしている仲谷の答えを知りたいと思う。



「しっかし、良人がネックだよなー。女でも紹介するか?」

 平凡顔でモテない良人…。

 これは案外いい考えかも知れないとこっそり笑って、先ほど出て行った仲谷にもう一度「頑張れ」と、今度は声を出しみた。


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